鶴岡八幡宮・三月の祭礼と行事~草木萌ゆる弥生~

鶴岡八幡宮・三月の祭礼と行事~草木萌ゆる弥生~

 今回は、草木萌ゆる弥生の鶴岡八幡宮の祭礼・行事を、境内を彩る花鳥と共にご紹介します。真冬の寒さが和らぎ、境内の木々は次々と花を咲かせて参ります。下旬ともなりますと段葛の桜が咲き誇る若宮大路は多くの観光客で賑わい 、鎌倉は一年でもっとも華やいだ季節を迎えます。
 3月には、近年鶴岡八幡宮の行事として新たに加わった「献詠披講式」が執り行われる他、八幡宮総本社・宇佐八幡宮の例祭(18日)にあわせて「宇佐神宮遥拝式」が執り行われます。

なお鶴岡八幡宮のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
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鶴岡八幡宮・月々の祭礼と行事

記事リンク
1月 鶴岡八幡宮・一月の祭礼と行事~寒牡丹華やぐ睦月~
2月 鶴岡八幡宮・二月の祭礼と行事~鶯さえずる如月~
3月 鶴岡八幡宮・三月の祭礼と行事~草木萌ゆる弥生~
4月 鶴岡八幡宮・四月の祭礼と行事~桜咲く卯月~
5月 鶴岡八幡宮・五月の祭礼と行事~若葉香る皐月~
6月 鶴岡八幡宮・六月の祭礼と行事~蛍舞う水無月~
8月 鶴岡八幡宮・八月の祭礼と行事~陽光溢る葉月~

境内図

鶴岡八幡宮境内図

鶴岡八幡宮・三月の風景

段葛の桜並木

鎌倉の三月を代表する風景といえば、やはり段葛の桜並木でしょう。平成26年(2014年)の植替え初めの頃は、桜の樹も小さくてそれまであった老木にくらべると頼りなさげに映りましたが、近年は大分立派になってきました。

三の鳥居の白鳩

この日は雨模様でしたが、白鳩の群れが三の鳥居に並べて羽を休めていました。

手水舎脇の梅

三月上旬には梅花が楽しめます。

紅白の馬酔木(あしび・あせび)

馬酔木が境内のいろいろなところに咲いてます。

東鳥居前(横浜国大付属小)のユキヤナギ

私がよく利用する駐車場から東鳥居に進む道の右手に見えます。

源氏池・桜の大樹

鶴岡八幡宮の境内では、一番大きな桜かもしれません。

乙女椿

スパイラル状に花弁が並ぶ乙女椿です。

山桜

辛夷(こぶし)

平家池畔の辛夷です。

河津桜

こちらも平家池畔に咲く河津桜です。

白鳩

八幡神のお使いの白鳩です。危害が加えられることないので、餌を見せれば安心して人に近づいてきます。

旗上弁財天の鳥居と桜

鳥居の赤に桜が映えます。

鶴岡幼稚園卒園式の日の柳原休憩所前

献詠披講式の日に鶴岡幼稚園の卒園式がありました。

三月の社頭暦

三月の祭礼

 鎌倉最大のイベント・鎌倉まつりが催され、また鶴岡八幡宮でも多くの摂末社の例祭が執り行われる華やかな卯月を控えて、境内至る所に花開く桜を愛でながら静かに春の盛りを待つ弥生です。

日付 祭礼 場所
1日 月首祭 本宮他
3日 摂末社月次祭 若宮他の各摂社末社
15日 月次祭 本宮
18日 宇佐神宮遥拝式 宇佐神宮遥拝所
春分の日 祖霊社春季例祭 祖霊社
3月下旬 献詠披講式 舞殿

月首祭(毎月1日)

 鶴岡八幡宮では、歳旦祭が斎行される元旦を除き、毎月朔日に本宮にて月首祭を執り行います。 こちらの様子は、鶴岡八幡宮・五月の祭礼と行事~若葉香る皐月~にてご紹介しております。

摂末社月次祭(毎月3日)

 摂末社の月次祭は、毎月3日に一斉に執り行われます。こちらの様子は、鶴岡八幡宮・五月の祭礼と行事~若葉香る皐月~にてご紹介しております。

月次祭(毎月15日)

 例大祭が斎行される9月15日を除く毎月15日には、月次祭(つきなみさい)が奉仕され、神恩に感謝するとともに崇敬者一同の繁栄を祈念します。こちらの様子は、鶴岡八幡宮・五月の祭礼と行事~若葉香る皐月~にてご紹介しております。

宇佐神宮遥拝式(18日)

 八幡宮の総本社として知られる豊前国(大分県)・宇佐八幡宮の例祭は「宇佐祭」と呼ばれ、古くは欽明天皇三十二年旧暦二月初卯の大神ご顕現ゆかりの日に執り行われていました。明治以降、宇佐八幡宮は、数ある「官幣大社」の中でも16社しかない「勅祭社」に列せられていますので、3月18日に斎行される宇佐祭は「勅祭」に該り、今日でも天皇より十年に一度「幣帛使」が遣わされます 。鶴岡八幡宮(旧国幣中社)の例大祭では神社本庁より「献幣使」を迎えますが、八幡宮の総本社ともなりますと、さすがの別格扱いです。
 鶴岡八幡宮では、この18日午前10時より本宮西側の宇佐神宮遥拝所にて遥拝式が執り行われます。

祓戸で修祓。ご神職は白絹の斎服を着用し、礼装で式に臨みます。

大石段を上がり宇佐神宮遥拝所に向います。

祝詞奏上。

二拝二拍手一礼。

ご神職が退下なさいます。

祖霊社春季例祭(春分の日)

祖霊社例祭は、春季が「春分の日」、秋季が「秋分の日」と年に2回斎行されます。祖霊社は、第二次大戦の英霊及び、氏子崇敬者の祖霊をお祀りする為に、昭和24年に創建された新しいお社で、遺族からなる「祖霊社維持会」が運営しています。歴代宮司も千柱を超える御霊とともにこちらに祀られています。

献詠披講式(下旬)

 披講は、平安の昔から宮中に伝えられてきた行事で、和歌を始めとした詩歌に曲節をつけて詠み上げ、皆に披露する行事で、鎌倉でも源頼朝を始め金槐和歌集を撰した文人将軍・源実朝らによって催されたようです。
 披講の諸役は、司会を務める読師(どくじ)1名、手本となる節で歌を詠む講師(こうじ)1名、先導役の発声(はっせい)1名、及び最後に唱和する講頌(こうしょう)4名で構成されます。
 鶴岡八幡宮・舞殿では、毎年3月下旬(以前は最終土曜日又は日曜日でした)に、神前に和歌を献上する神事として「献詠披講式」が斎行され、披講の諸役は、読師を担当する宮司以下、ご神職の皆さんがおつとめになります。
 なお、式で披講される和歌は毎年公募され、源実朝公の一首とともに唱和されます。

諸役の皆さんが、社務所前に整列されます。武家の歌会らしく皆さん立烏帽子に白の直垂姿です。

祓戸には向かわず、舞殿で修祓。

献饌。

権宮司による祝詞奏上。

献詠。

撰した和歌を神前に献上。

最後までご覧いただきありがとうございました。鶴岡八幡宮の毎月の祭礼・行事を一通りご紹介する準備を進めておりますが、もう少々時間がかかりますのでゆるゆるとお付き合いください。