鶴岡八幡宮~崇敬者大祭(2019年)~

鶴岡八幡宮~崇敬者大祭(2019年)~

鶴岡八幡宮・崇敬者大祭は、鶴岡八幡宮の行事を通じた伝統文化の振興を図るべく八幡宮の外郭団体として設立された「槐(えんじゅ)の会」の活動とリンクして毎年10月に催行されるお祭りです。午前中の神事に続き、この日の午後は小笠原流による流鏑馬神事が奉納され、多くの参拝客で賑わいます。流鏑馬神事では、流鏑馬馬場の南側に並べられた三つの的を騎射(きしゃ) にて次々と射抜いて行く訳ですが、大きく二部に別れます。まず最初に行われるのが「流鏑馬本義」で、綾藺笠が凛々しい「あげ装束」で身を固めた三騎が、八幡宮より授与された弓矢を用いて的を射ます。続いて行われるのが「騎射挟物(平騎射)」で、騎射笠に筒袖の着物を纏った射手が三回にわたって腕を競います。鶴岡八幡宮では、年三回・流鏑馬が奉納されますが、春の鎌倉まつりでは武田流が、秋の例大祭と崇敬者大祭では小笠原流がそれぞれお務めになります。

流鏑馬動画

2019年の崇敬者大祭の流鏑馬の模様は、以下のYOUTUBE動画にまとめましたのでどうぞご覧ください。

境内の様子

この日はすこし曇り気味でしたが、流鏑馬の拝観には丁度よい天候でした。この時期は、七五三詣の参拝客もちらほら目にするようになります。

午後からは、中央の参道が、社務所前を横切る流鏑馬馬場の手前で、ほとんどの時間通行止めになりますので、神社西側を通るう回路が示されています。

まだ午前中は、こんなふうに流鏑馬馬場を横切って通過できます。

崇敬者大祭

午前10時からは、「槐の会」一同が多く参列する崇敬者大祭が執り行われます。参列者には、このような胸章等が配布されます。

社務所前

祓戸(はらえど)

神事

神事は、下拝殿(舞殿)で執り行われます。まずは献饌。

こちらは、祭主を務める宮司による祝詞奏上。

巫女さんによる御神楽奉納です。

祭主による玉串拝礼。

権宮司による撤饌。

御神職一同退下。

参列する「槐の会」一同に宮司がご挨拶

下拝殿西側には「槐の会」一同が着席するテントが設けられ、神事の間は、こちらにて参列します。

最後に、「槐の会」参列者による玉串拝礼。

神事を終えてから、お下がりとお弁当を頂きました。

流鏑馬馬場の様子

東の鳥居を馬場元、西の鳥居を馬場末とする東西約250mに、埒に囲まれた幅2m強の馬場が設けられています。

こちらは、東の鳥居前の馬場元から見た流鏑馬馬場の全景です。

馬場元のある東の鳥居付近はこんな感じ

こちらは、中央の参道が解放されている時間帯の様子。すぐ脇に記録所があります。

鶴岡八幡宮・流鏑馬・記録所

こちらは、中央付近から望んだ馬場末のある西の鳥居。

以下、順に斎館前の一の的、鶴岡幼稚園前の二の的、 「よじべえ石」 前の三の的

鶴岡八幡宮・流鏑馬・一の的
鶴岡八幡宮・流鏑馬・二の的
鶴岡八幡宮・流鏑馬・三の的

馬場の両脇には、様々な拝観席が設けられています。順に鶴岡八幡宮関係者席、小笠原家関係者席、一般招待者席。

流鏑馬

馬場が祓い清められ 、中央通路が閉鎖されると、いよいよ流鏑馬の開始です。

馬場入りの儀

舞殿での神事を終え、射手及び諸役が馬場に入ってきます。まずは馬場元に進み、さらに馬場末に向かいます。

先導役の一騎は、外人さんがお務めです。

馬場元を経由して馬場中央で先導役は下馬し、馬場中央より西には、「流鏑馬本義」で射手を務めるあげ装束の三騎が進んできます。

下の写真の先頭に見えるのは、「一の的」の「的奉行」と「采振り(ざいふり)」です。騎乗は「一の射手」です。

下の写真の先頭は、「一の射手」の世話役の童子で、その後の四角の木の板を持った三人が「一の的」の「的持ち(まともち)」です。

こちらは「三の射手」です。

向かって右の三名は、各々「的奉行」。的奉行の向かって左隣が「馬場元役」。さらにその左が「馬場末役」です。向かって左端は、「平騎射」の射手です。

床几に腰を下ろす向かって右が「一の射手」、左が「二の射手」です。

「一の射手」が馬場中央に進み、「日記役」より「流鏑馬はじめませ」の宣下を受けます。

諸役は、各自配置に付きます。

射手は、埒の内側を通り、馬場元に駒を進めます。

流鏑馬本義

馬場末役が赤扇、馬場元役が白扇を振ると、いよいよ流鏑馬の開始です。

「一の射手」が扇を捌き、八幡宮より弓矢を授かった三騎が次々に的を射て行きます。

騎射を終えた三騎が、馬場元に還ります。

騎射挟物(きしゃはさみもの)

続いて、 騎射笠に筒袖という軽装の射手による「 騎射挟物(別名:平騎射) 」 が始まります。馬場元での輪乗りから、勢いよく馬場に飛び出して行きます。

以下、射手の皆さんが見事に的を射て行く平騎射の様子をご覧ください。

勢い余って落馬も。

三回に分けて騎射を繰り返す間、各回次毎に騎射を終えた射手は馬場元に引き上げます。

最後に「平騎射」の間、馬場元に控えていた「流鏑馬本義」の射手の皆さんが中央通路に抜けて退場します。

最後までご覧頂きありがとうございました。流鏑馬をご覧になるには、春の「鎌倉まつり」、秋の「例大祭」「崇敬者大祭」と、年に三回の機会がありますので、是非お越しください。