鶴岡八幡宮~御判行事(ごはんぎょうじ)2019年~

鶴岡八幡宮~御判行事(ごはんぎょうじ)2019年~

鶴岡八幡宮では、新年の元旦から7日までの間、舞殿において「御判行事」が執り行われます。この行事には誰でも参加することができ、初穂料(千円以上)を納めますと舞殿にて玉串拝礼の後、額に御神印を押していただけます。普段、この御神印は御本殿の御神座近くに奉安されており、松の内の間のみ舞殿又は若宮に設けられた御判行事所に遷されて使用されます。
また、舞殿を退下する際には「牛王宝印(ごおうほういん)」の神符を挟んだ木串を、干支が描かれた絵馬を付きで授与されます。現在の「牛王宝印」の神符は、護符として扱われていますが、昔は、「熊野牛王符」が記された有名な「熊野誓紙」と同様に、裏面に起請文を書くなど誓約書の用紙としても利用されていました。

◆2021年・鶴岡八幡宮・御判行事の予定◆

開始日時 2021年1月1日~7日
場所 舞殿(舞殿が他の行事で使用されている時間帯は、若宮拝殿前)

舞殿での御判行事

鶴岡八幡宮の正面太鼓橋脇に掲げられた正月の行事予定の案内板です。「御判行事 一日~七日 終日」と記されています。

御判行事所のある舞殿です。

舞殿前には少し列ができていましたが、正月三日でこの程度ですので、気軽に参加できますね。

舞殿では、男性の御神職と巫女さんがお勤めです。

「御判行事」で用いられる御神印です。多くの参拝者の額に押しても損耗しないように、白い紙(おそらく奉書紙)で丁寧に包み大麻で結っています。隣の鮮やかなデザインの箱は、おそらく御神印を納める箱と思われます。

まず舞殿正面より大石段上の本宮に向けて玉串拝礼をします。心地良い緊張感が何とも言えません。玉串拝礼を終えますと、巫女さんが神楽鈴を振るい、御神職が参拝者の額に軽く御神印を押し当てます。

※サムネイルをクリックすると拡大します。

「牛王宝印」の神符

舞殿を退下する際に、今年の干支のイノシシが描かれた絵馬の付いた木串に、「牛王宝印(ごおうほういん)」の神符を挟んで授与されます。絵馬のイノシシは吉田宮司がデザインされたものだそうです。

鶴岡八幡宮の牛王神符は、こんなふうに「八幡宮」の「神使(しんし)」である鳩をモチーフにしてデザインされています。押されている朱印は、御判行事で使用される御神印の印影です。

参考までに、熊野本宮大社の「熊野牛王神符」はこんな感じです。鶴岡八幡宮ではハトをモチーフにしていますが、こちらはカラスをモチーフとしています。比べていただくとよく分かるのですが、右縦列の「熊野」の二文字を削除すると、鶴岡八幡宮の牛王神符とそっくりですね。おそらく鶴岡八幡宮側が、伝統ある「熊野牛王神符」を真似てデザインしたのでしょう。

熊野本宮大社サイトにリンク

若宮拝殿前の御判行事所

舞殿は、正月期間中、様々な行事で使われますので、その時間帯は若宮拝殿前に「御判行事所」が移されます。この写真は「除魔神事(じょましんじ)」で舞殿が使用されている時間帯に撮影したものです。

最後までご覧いただきありがとうございました。今年の正月は「御判行事」に参加できて感激です。こうした機会でもないと、なかなか「舞殿」に昇り「玉串拝礼」をすることはできませんので、皆さんも参加されてはいかがでしょう。ご存じのない方でも、「玉串拝礼」の手順は事前にご神職が教えてくれますし、また前の方のしぐさを真似ることもできますのでご安心を・・・。

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