鶴岡八幡宮~除魔神事(じょましんじ)2019年~

鶴岡八幡宮~除魔神事(じょましんじ)2019年~

鶴岡八幡宮の「除魔神事(じょましんじ)」は、毎年1月5日に執り行われる儀式で、古くは源頼朝公が武家の事始として文治四年(1188年)正月6日に執り行った「御的始(おまとはじめ)」に遡ることができます。
「除魔神事」では、下拝殿(舞殿)の西側に特設会場が設けられ、下拝殿での神事を終えた後「蟇目の儀(ひきめのぎ)」及び「大的式(おおまとしき)」が執り行われます。「蟇目の儀」では、長さ15cmほどの紡錘型の木片(朴又は桐)の中を刳り抜き、前方に「眼」と呼ばれる穴を空けた赤い鏑矢「蟇目鏑(ひきめかぶら)」を、「的革(まとかわ)」に向けて「ヒュルヒュル」と一本射て、天地四方の魔性退散を祈念します。現在、射手は小笠原流宗家がお勤めです。
続いての「大的式」では、「大的式始めませ!」の掛け声と共に、「射蓆(いむしろ)」から十五間(約27m)離れた「的革(まとかわ)」の前に掲げられた五尺二寸(約156㎝)の大的を目がけて、「太郎」以下6名の射手が前弓3名・後弓3名に分かれ、順繰りに各自二本づつ射ます。「大的式」の射手は、「弓馬術礼法小笠原流 鎌倉菱友会」に属する皆さんがお勤めです。
なお「大的」の中央の「小眼」の裏側には、墨で「甲乙ム(「鬼」の字から頭の「点」を取って上下逆にした形をしており「こうおつなし」と読む)」の文字が記されています。これには「鬼」から「角」を奪い、逆さ磔に封じ込めるとの意があるようです。

◆2020年・鶴岡八幡宮・除魔神事の予定◆

開始日時 2020年1月5日 午前10時
場所 下拝殿(舞殿)西側特設会場

鶴岡八幡宮の除魔神事の様子は、動画をYouTubeにアップしておりますので、ご覧ください。

ニノ鳥居から三ノ鳥居にかけて

雲一つない晴れ渡った空が爽快です。ニノ鳥居の狛犬の前には、鶴岡八幡宮の正月行事を記した立て看板があります。


三ノ鳥居前には、本日の祭事「除魔神事」の案内が掲げられています。

舞殿付近の様子

初詣客は、まだまだ沢山いらっしゃいます。「除魔神事」の特設会場の周りを大勢の見物客が取り巻いています。

開始直前の舞殿の様子は、こんな感じ。

特設会場はこんなふうに設営されています。奥には青の「的革(まとかわ)」が張られ、中ほどには「射蓆(いむしろ)」、手前には射手用の円座が並んでいます。

「蟇目の儀」では、この青の「的革(まとかわ)」を目がけて鏑矢が射られます。「大的」は「蟇目の儀」が終わってから掲げられます。

一番大石段よりの場所に、「蟇目の儀」諸役が着座する床几が並んでいます。

下拝殿(舞殿)での神事

御神職が、昇殿なさいます。

献饌、祝詞奏上、玉串拝礼と進んでいきます。「蟇目の儀」で射手を勤める小笠原清基氏も玉串を奉げていらっしゃいます。小笠原清基氏は小笠原流31世宗家小笠原清忠氏のご嫡男です。



御一同が退下し、射手や諸役の皆さんが下拝殿の下手に整列されます。

特設会場への入場

まず小笠原流31世宗家小笠原清忠氏が弓を手に入場なさいました。

続いて、御神職を先導に「蟇目の儀」の射手及び諸役の皆さんが入場されます。

「大的式」諸役の皆さんです。白い御幣をお持ちの方が「幣振役(へいふりやく)」です。

一番手前が「采揚(ざいあげ)」、3番目が後弓の「矢取(やとり)」、4番目が先弓の「矢取(やとり)」です。

会場入り口で控えていらっしゃった「大的式」の射手及び介添役の皆さんが入場し、的に向かって右手の円座に先弓の3名、左手の円座に後弓の3名が着座します。射手毎に付く介添はその後ろに控えます。前弓の3名は、的に近い順に「太郎」「五郎」「四郎」、後弓の3名は、的に近い順に「三郎」「六郎」「関(次郎)」と呼ばれます。的に近い者から、前弓→後弓の順に射て行きますので、トップは「太郎」が、ラストは「関」が勤めることになります。



蟇目の儀(ひきめのぎ)

射手及び諸役が、床几を立ち、持ち場へと向かいます。


「的立役(まとたてやく)」が、「的革(まとかわ)」の前で「観念」を唱え、的革に魔性を集めて封じます。

右端から「蟇目射手(ひきめいて)」「手明介添(てあきかいぞえ)」「太刀持(たちもち)」「替弓持(かえゆみもち)」です。太刀持はずっとこの姿勢ですので、一番大変そうです。
「蟇目射手(ひきめいて)」は、小笠原清基氏です。

以下、「蟇目射手」の所作をギャラリーにしました。

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「蟇目射手」以下が、床几に戻ります。「的立役」は、「矢拾役」から、「蟇目射手」の放った鏑矢を受け取り、戻ってきます。


大的式(おおまとしき)

「蟇目の儀」のあと、青い「的革」の前に「大的」が掲げられます。

「三郎」が「弽(ゆがけ)」を右手に装着します。

射手が立ち上がり「大的」の方を向きます。さらに「太郎」と「総奉行」が進み出て向き合い、総奉行が「大的式始めませい」と下知すると太郎が「おう」と応えます。


射手が元の円座に戻り腰を下ろします。

介添が射手の「浅沓(あさぐつ)」を揃えます。

改めて「太郎」「三郎」が「射蓆(いむしろ)」に進み出て「蹲踞(そんきょ)」します。いよいよ歩射が始まります。

以下、「太郎」の所作をギャラリーにしました。前弓の「太郎」は「観念」の所作で「天下太平国土安全」と唱えます。

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以下、「三郎」のアップの所作をギャラリーにしました。後弓の「三郎」は「観念」の所作で「武運長久家内繁栄」と唱えます。 こちらは、矢が的を貫通する瞬間も撮影できました。

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以下、「太郎」「三郎」が自分の円座に戻る所作をギャラリーにしました。介添の動きにも注目してください。

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以下、「介添」が「矢取」より「関」の射た矢を受け取り「関」に手渡すまでの所作をギャラリーにしました。射手ばかりに目が行きますが、諸役の動きを追うのも面白いですね。

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「大的式」を終えて、御神職を先頭に射手・諸役の皆さんが退出されます。





最後までご覧いただきありがとうございました。何分混み合っておりましたので、撮影ポジションを移動できなかったのは残念でしたが、全体の大きな流れはご紹介できたと思います。

ギャラリー

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