鎌倉・寿福寺◆境内散歩◆

鎌倉・寿福寺◆境内散歩◆

寿福寺は、臨済宗開祖・栄西を開山とする鎌倉五山の第三位の名刹です。この付近は、源義家が奥州平定を祈願した源氏山の麓にあたり、邸宅があったことなど源氏にとっては父祖伝来の地と云えます。創建当初は十四の塔頭を擁する寺容を誇り、現在の英勝寺の境内等も含まれていたものと思われますが、大火の被害、鎌倉幕府の滅亡等により、総門・中門・仏殿を軸とした現在の形に収まり、国指定史跡とされています。また、参拝客を呼び込むスタンスに傾きがちな寺院が多い中、無暗に境内を解放せず禅刹としての本来の姿勢をしっかり保っているのが好印象です。

なお寿福寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒寿福寺へ

※写真をクリックすると拡大します。

寿福寺の魅力

◎総門から中門に長く続く洗練された「桂敷き」の石畳

◎宗祖・栄西、建長寺開山・蘭渓道隆、浄妙寺開山・退耕行勇等、名だたる禅匠の入山が物語る鎌倉での臨済宗発展の歴史を紐解くキーポイントとなる寺史

◎参拝客に媚びない禅刹として背筋の通ったスタンス

境内図

総門付近

鎌倉駅西口を出て、紀ノ国屋前交差点を右折し、北鎌倉方面に10分ほど歩くと、寿福寺の総門が見えてきます。総門前のスペースには地元青年団体が建てた旧跡碑「源氏山」や、庚申塔などがあります。

朱塗りの総門脇には「壽福金剛禅寺」の寺銘碑が立っており、総門をくぐった先には一直線の長い石畳が見えます。

また、総門には「亀谷山」の山号顎が掲げられています。

境内の様子

総門の先に続くモダンで洗練されたイメージの石畳は、京都桂離宮で使用されている「桂敷き」という技法を使っているとのことです。

石畳を進むと突き当りが「中門」になります。中門より内側は、正月とゴールデンウィークの特別解放期間を除くと非公開となっております。

それでも、中門から柵越しに仏殿を撮影することはできました。この写真は夏場撮影したものなので、仏殿に続く石畳が緑の庭に浮き上がって見えます。

仏殿に向かって左脇には鎌倉市指定天然記念物の「白槇」がどっしりと根を下ろしています。

中門の手前を右に進むと、鐘楼があります。

さらに進むと庫裡が見えます。ご朱印を頂く方は、ここで呼び鈴を鳴らすとお寺の方がいらっしゃいます。

庫裡の横は日本庭園になっております。梅の木越しに少し覗いてみました。

境内裏の墓地

境内裏は墓地になっており大仏次郎や高浜虚子のお墓があります。また墓地の崖下には、北条政子の五輪塔が収められた「やぐら」があり、その直ぐ先には三代将軍「源実朝」の五輪塔の「やぐら」もあります。これらの「やぐら」に行くには仏殿脇の小路を上るのが近いのですが、現在通行止めです。

「北条政子」の御墓(五輪塔)


「源実朝」の御墓(五輪塔)

◆こんなところに隧道が???◆
寿福寺の墓地の南面は崖になっており、一見行き止まりに見えるのですが、崖に沿って歩くと実は三本の隧道が確認できます。昔、このあたりまで並んでいた塔頭の名残かも知れません。
まず一本目。一番西側の隧道です。どうも塞がれているようで、通行はできそうもありません。

続いて二本目。真ん中の隧道です。ここは現役で使用されており、隧道をくぐって少し行った突き当りを左折すると寿福寺総門の南側に出ることができます。私も一度利用したことがあります。

最後に三本目。一番東側の隧道です。使用されているようには見えませんが、インターフォンがついているので、民家の入口のようです。

最後までご覧いただきありがとうございました。
寿福寺は、鎌倉五山の中では鎌倉駅から最も近いお寺です。小町通りの雑踏を避け、禅宗のお寺らしいストイックな雰囲気を味わうのもいいかもしれません。

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