鶴岡八幡宮・五月の祭礼と行事~若葉香る皐月~
- 2020.05.24
- 年中行事
今回は、木々の若葉香る皐月に鶴岡八幡宮で執り行われる祭礼・行事を、境内を彩る花鳥と共にご紹介します。初夏を思わせるような明るい日差しが溢れる5月の鶴岡八幡宮では、例月どおり月首祭、摂末社月次祭、月次祭が執り行われる他、5月5日端午の節句には「菖蒲祭」、28日には境内末社の「白旗神社例祭」が斎行されます。また5月5日には「菖蒲祭」に合せ「敬老会」が催され「舞殿」にて雅楽演奏団体「東京楽所」による「舞楽」が奉納されます。
なお鶴岡八幡宮のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
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鶴岡八幡宮・月々の祭礼と行事
境内図
鶴岡八幡宮・五月の風景
二の鳥居から境内入口の三の鳥居に続く段葛の両脇には、白色・桃色の躑躅が咲き誇ります。
祝日になると段葛中央にならぶポールには日の丸が掲げられ、少し上に目をやれば段葛の両脇の桜並木が若葉の緑一色です。 ポットのガザニアも色鮮やかですね。
大石段上から俯瞰した段葛も四月と比べ一段と緑が増しています。
境内は緑に包まれています。本宮は木々の緑に埋もれるようで、若宮の背後の大臣山も青々としています。
源氏池では蓮の葉が水面を埋めています。平家池の黄菖蒲も鮮やかです。
源氏池にかかる橋の上では、鴫が羽を広げています。
斎館近くの藤棚の下では、鳩のつがいが羽繕いをしています。雄の羽はほぼ白色で、雌の尾羽には白色が混ざっているところを見ると、共に土鳩と白鳩が交雑した個体のようです。
こちらは、鎌倉文華館の前庭に置かれた銅像と平家池沿いの躑躅です。
舞殿では、度々婚礼が行われます。
五月の社頭歴
鶴岡八幡宮の祭礼・行事予定は手水舎脇の社頭歴に掲げられています。
五月の祭礼
日付 | 祭礼 | 場所 |
1日 | 月首祭 | 本宮他 |
3日 | 摂末社月次祭 | 若宮他の各摂社末社 |
5日 | 菖蒲祭 | 舞殿 |
15日 | 月次祭 | 本宮 |
28日 | 白旗神社例祭 | 白旗神社(末社) |
月首祭(毎月1日)
鶴岡八幡宮では、歳旦祭が斎行される元旦を除き、毎月朔日に本宮にて月首祭を執り行います。月首祭は、月の始めに我国の発展、皇室の弥栄、国民の安寧を祈念する御祭(祭主:宮司)で、巫女2名による「萬代の舞」が奉納されます。
本宮での祭事の後、御神職一同は武内社を始めに、宇佐八幡宮遥拝所、丸山稲荷社、若宮、由比若宮遥拝所、白旗神社、祖霊社と順拝します。
大石段を下り、若宮へ向かいます。
摂末社月次祭(毎月3日)
鶴岡八幡宮クラスの大きな神社となりますと数十社に上る摂末社を有していることが多いのですが、鶴岡八幡宮の場合は旧・鶴岡八幡宮寺が廃された明治初期までに消滅した末社もあって、現在は境外末社を含めて8社と、規模の割には摂末社は整理統合されている印象があります。鶴岡八幡宮・本宮の月次祭(つきなみさい)は毎月15日に斎行されますが、摂末社の月次祭は、毎月3日に一斉に執り行われます。なお多くの摂末社の例祭がある4月、明治祭と重なる11月には「摂末社月次祭」は斎行されません。
鶴岡八幡宮唯一の摂社・若宮での御祭は権宮司が祭主をお務めになります。社務所前を出発した御神職の列は、祓戸にて潔斎の後、若宮に向かいます。
若宮拝殿での神事の後、御神職が退下します。
菖蒲祭(5月5日)
鶴岡八幡宮では5月5日端午の節句に、氏子・崇敬者の無病息災と延命長寿を祈念して菖蒲祭が斎行されます。この菖蒲祭の起源は大変古く、文治三年(1187年)に執り行われた節句の神事にまで遡ることができ、昭和20年までは、少年への武道奨励の意を込め「尚武祭」と呼ばれていました。この日には併せて「敬老会」が催され、「舞楽」が奉納されます。
ご参考記事→鶴岡八幡宮~菖蒲祭(しょうぶさい)2019年・前半~御神楽奉納・敬老会
月次祭(毎月15日)
例大祭が斎行される9月15日を除く毎月15日には、月次祭(つきなみさい)が奉仕され、神恩に感謝するとともに崇敬者一同の繁栄を祈念します。
月次祭では本宮での祭事の後、月首祭と同様に、御神職一同が武内社、宇佐八幡宮遥拝所、丸山稲荷社、若宮、由比若宮遥拝所、白旗神社、祖霊社と順拝します。
白旗神社例祭(5月28日)
5月28日は、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝公及び三代将軍・源実朝公をお祀りする鶴岡八幡宮末社・白旗神社の例祭の日です。祭主は権宮司がお務めになり、巫女二名による御神楽が奉納されます。
ご参考記事→鶴岡八幡宮・白旗神社(しらはたじんじゃ)~例祭~
白旗神社の社殿はシックな黒漆塗の珍しいデザインで、関東では他に香取神宮や上総一之宮・玉前神社の「黒社殿」が有名です。
御神職の列が正面参道の石畳を進んで参ります。
社殿前にて修祓を受けます。
祭主により大きな御扉が開かれ、神事が進みます。
五月の行事
「菖蒲祭」にあわせて「敬老会」が開催され「舞楽」が奉納されます。
日付 | 行事 | 場所 |
5日 | 敬老会 | 舞殿周辺 |
5日 | 舞楽奉納 | 舞殿 |
敬老会(5月5日)
氏子・崇敬者の無病息災と延命長寿を祈念する「菖蒲祭」に併せて、例年「敬老会」が催されます。受付で参列証を提示しますと、80歳以上の方は「はと杖」や「お守り」を頂けます(90歳以上の方には「緋座布団」もプラス)。 また大石段下で、宮司との記念撮影もあります。
舞楽奉納(5月5日)
「菖蒲祭」が斎行される5月5日には、神事に引き続いて「東京楽所(とうきょうがくそ)」による舞楽が奉納されます。鶴岡八幡宮における舞楽奉納の歴史は大変古く、文治四年(1184年)に箱根権現(箱根神社)および伊豆山権現(伊豆山神社)の稚児八名による童舞奉納に遡ります。
ご参考記事→鶴岡八幡宮~菖蒲祭(しょうぶさい)2019年・後半~舞楽
最後までご覧いただきありがとうございました。毎月斎行される「月首祭」「摂末社月次祭」「月次祭」ですが、全月の御祭をご紹介する訳にも参りませんので、今回の5月の御祭で代表させていただきたいと存じます。
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