鎌倉・宝戒寺◆境内散歩◆
- 2018.09.26
- 境内散歩
宝戒寺は、鶴岡八幡宮・三の鳥居から横大路を東に3分程進んだ正面突当りという、鶴岡八幡宮参拝と同時に立ち寄り易いところにあります。ここは元々鎌倉幕府執権・北条得宗家の屋敷があった場所で、北条氏滅亡後、その菩提を弔うために後醍醐天皇が足利尊氏に命じ宝戒寺を建立しました。以来、天台宗の戒壇院として栄え、鎌倉三十三観音霊場二番札所、鎌倉二十四地蔵菩薩霊場題一番札所、鎌倉江の島七福神(毘沙門天)札所を勤めています。多くの文化財を蔵していることでも有名で、中でもご本尊の子育地蔵菩薩坐像、大聖歓喜双身天王像は国の重要文化財に指定されています。また9月になりますと、境内は白と紫の萩で溢れ返ることから「萩の寺」としても有名です。
なお宝戒寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒宝戒寺へ
※写真をクリックすると拡大します。
宝戒寺の魅力
◎参道両脇及び境内を埋め尽くす九月の萩の溢れるような白と紫
◎数百年に亘る護摩の煤で全身真っ黒にお化粧したご本尊「子育経読地蔵大菩薩坐像」の本物感
◎「鎮護国家」級の絶大なパワーが魅力の秘仏にして重要文化財「大聖歓喜双身天王」
◎天台宗・円頓戒「遠国四戒壇」の一つとして、また天台密教関東弘通の道場として開山以来、数多の天台僧を輩出してきた歴史的役割
境内図
受付まで
鶴岡八幡宮・三の鳥居から横大路を東に進んだ突き当りにあり、参道入口に「天台宗円頓宝戒寺」と「鎌倉大聖天」の門柱が立っています。
春は、参道沿いに植えられた桜の樹が見事です。
梅雨の頃の濡れた参道の石畳は、なかなかに風情があります。
秋の彼岸会では、白萩の上にずらりと提灯が並びます。
宝戒寺のあるこの場所には、鎌倉幕府の執権・北条得宗家の屋敷があったことから、参道脇に旧・鎌倉町青年会による旧跡碑が立っています。
参道を進むと向かって左側に受付がありますので拝観料(200円)を納めて入山します。
初夏には、柘榴の花が鮮やかです。
ご本堂
正面がご本堂です。萩の頃は、両脇に白萩の花が迫ってきます。
梅の頃、同じあたりから撮影した写真です。
秋彼岸法要の際のご本堂の様子です。本堂内の向かって右側がご朱印所になっています。
6月にお参りした時には、本堂脇の「水瓶(すいびょう)」に咲いた透き通るような紫の睡蓮が迎えてくれました。
ご本堂・中央部の護摩壇奥には、国の重要文化財に指定されているご本尊「子育読経地蔵大菩薩坐像」が鎮座されています。
「木造地蔵菩薩坐像(仏師・三條法印憲円 作)」(「神奈川縣文化財圖鑑」より)
また、聖天様を造立し、国家鎮護を祈念なさった普川国師・惟賢和上の坐像も安置されています。
「木造惟賢和尚坐像」(「神奈川縣文化財圖鑑」より)
ご本堂に向かって左手奥が「鐘楼」となっております。
ご本堂に向かって左脇には、昭和五十一年に建てられた宝篋印塔があります。ここには北条氏滅亡に関わる「有無順逆両縁諸人士」全ての菩提を弔うため、陀羅尼経が納められています。
ご本堂に向かって右脇には、東久邇宮御手植えの白槇があります。
大聖歓喜天堂
ご本堂に向かって右側にはお堂が三つ並んでいますが、一番奥が「大聖歓喜天堂」です。
中央に見える厨子に、宝戒寺二世・普川国師・惟賢和上が国家鎮護を祈念し造立した秘仏「大聖歓喜双身天王」(国重要文化財)が収められています。
歓喜天像は、象頭の強力な悪神「毘那夜迦(ビナヤカ)」を十一面観世音菩薩が象頭の女天に化身して抱擁・一体化することで、毘那夜迦の力をコントロールし仏教の護法神に転じさせた姿を造形したものです。 このことは、向かって左手の象頭の女天(十一面観世音菩薩の化身)の足が、右手の毘那夜迦(男天)の足を踏んでいることに象徴されています。なお毘那夜迦は、ヒンドゥー教の象頭の神ガネーシャの別名とされています。
また、極めて強烈な力を持つ歓喜天は、祀り方を誤れば逆に災いをもたらすことから、右手に十一面観音菩薩像を配すことで歓喜天の力を更に制御しています。
徳崇大権現堂
大聖歓喜天堂に向かって右隣りにあるのが「徳崇大権現堂」です。こちらには鎌倉幕府第十四代の執権で、東勝寺で自刃した北条高時の像が祀られています。
聖徳太子堂
徳崇大権現堂に向かって右隣りにあるのが「聖徳太子堂」です。こちらには聖徳太子二歳尊像が祀られています。
聖徳太子は鎌倉の「建築諸職衆」別けても「鎌倉鳶衆」の尊崇を受け、江戸時代より「太子講」が組織されていました。聖徳太子堂の近くには「鎌倉鳶衆」の先人達のための慰霊碑も建立されています。
7月の大施餓鬼会に参列させて頂いた際に頂戴した緑の散華には、ご本尊・地蔵菩薩が描かれていました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
鶴岡八幡宮の三の鳥居から3分ほどの至便な場所ですので、何度でもお参りし四季折々の変化をお楽しみください。
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