龍口法難会2018年~龍口寺~
- 2018.09.17
- 年中行事
9月11日より13日にかけて、龍口寺において龍口法難会が催されました。「難除けぼたもち撒き」「万灯練行列供養」の様子は、次の動画をご覧ください。
日蓮宗では松葉谷、伊豆、小松原、龍ノ口の四つが日蓮聖人の四大法難とされていますが、中でも随一とされるのが「龍ノ口の法難」です。龍ノ口の刑場に据えられた日蓮聖人の首がまさに切り落とされようとした時、江ノ島の方角から飛来した光の玉により刑場が混乱に陥る中、幕府から刑執行停止の命令が届いたため、日蓮聖人は一命を取りとめました。
この時の様子を日蓮聖人は次の様に書きとめていらっしゃいます。
江の島の方より月の如く光たる物、毬の様にて、辰巳の方より戌亥の方へ光渡る。十二日の夜の明け暮れ、人の面も見えざりしが、物の光、月夜のようにて、人々の面もみな見ゆ。
太刀取、目眩み倒れ臥し、兵共恐ぢ怖れ、興醒めて、一町ばかり馳せ退き、あるいは馬より降りて畏まり、あるいは馬の上にて蹲まれるもあり、日蓮申すよう「如何に殿ばら、かゝる大に禍なる召人には遠のくぞ。近く打ちよれや打ちよれや」と高々と呼ばわれども、急ぎ寄る人もなし。
(「種種御振舞御書」より)
宗教的指導者として大きな役割を与えられ、この世に生を受けた日蓮聖人を取り巻く時空には、こうした不可思議な現象を発現させる「場」が織り込まれていたのでしょう。
法難会前の様子
今年のポスターが、電車通りのお店に張られていました。
門前では、屋台の準備が進んでいます。
「仁王門」から「山門」を見上げると、提灯がきれいに並んでいます。
「大本堂」の前庭には、大きな報恩謝徳塔婆が二本建てられ、結縁綱で結ばれています。白い結縁綱の先は「大本堂」内に安置された日蓮聖人の像に続いています。
仏舎利塔「平和祈願大法要」
11日の14:00に仏舎利塔前に平和祈願大法要が催されました。
真白な仏舎利塔は、インドのストゥーパに倣って1970年(昭和45年)に建てられたものです。内部にはインドのネルー首相より贈られた仏舎利が納められています。
金色の釈迦如来像が塔の高みよりこちらをご覧になっています。
七面堂から貫主が上がっていらっしゃいます。
仏舎利塔前で法要。
難除けぼたもち撒き
大本堂に竹組みの台座が二か所据えられています。
私の近くの台座からは「椿社中」のぼたもちが撒かれました。
万灯練行列供養
真っ先に龍ノ口・片瀬睦の皆さんによる纏振りが披露されました。団扇太鼓が賑やかです。
大本堂の中でも、やんちゃ振り!!
品川区・荏原の摩耶寺からいらっしゃった万灯です。
川崎市・生田の安立寺万燈講の皆さんの纏振りです。
六浦の上行寺の万灯です。
港北区の本長寺の万灯です。
本長寺・立正結社の皆さんによる纏振りです。
羽田山長照寺の「羽田さざ奈美纏連」による纏振りです。
山門前で龍ノ口・片瀬睦の子供さんによる元気な纏振りです。
難除けぼたもち撒き二回目
12日の夜のぼたもち撒きは、とても混み合いますので、私は翌13日午前0時からの最後の法要に参列し、二回目のぼたもち撒きで、三つ四つ頂いて帰りました。
ほとんど誰もいない12日23時30分頃の大本堂前です。
ぼたもち撒きの様子はこんな感じです。人数が少ないので余裕で頂けます。
皆さん、ぼたもちを頂いてお帰りです。
頂いたぼたもちは、ビニールの小袋入りでした。すぐに食べないと固くなってしまいます。砂糖を使用しておらず、甘いぼたもちに口が慣れた我々には美味とは言えませんが、日蓮聖人に捧げられた「桟敷の尼」のぼたもちは、こんな具合だったのであろうと思い「南無妙法蓮華経」と心で唱えながら口に含むと、ありがたみがじんわりと湧いてきます。
それから、お寺の入口でお坊さんが配っていた小さな団扇も写真に取っておきました。
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辰巳の方角に江ノ島を望むと現在の龍口とは異なる場所に成ることから鎌倉時代の龍口は江ノ島を挟んで反対側に成ることが理解できました。
投稿ありがとうございます。「辰巳の方角」云々というくだりですが、龍ノ口で日蓮が切られようとしたその瞬間に江の島方面(龍ノ口から見ると辰巳の方角)から龍ノ口(江ノ島から見ると戌亥の方角)に向って月の如く光たる物(空飛ぶ円盤?)が飛んできたという意味です。