浄光明寺・覚賢五輪塔~鎌倉まつり特別公開~
- 2019.05.05
- 境内散歩
覚賢五輪塔が建つ旧・多宝寺の敷地には、普段は入ることができませんが、毎年「鎌倉まつり」の期間中は、覚賢五輪塔を管理している浄光明寺の裏山の木戸が開かれ特別に拝観できます。覚賢五輪塔は、鎌倉時代に建てられた高さ3mほどもある鎌倉最大級の五輪塔で、国の重要文化財に指定されています。長らく旧・多宝寺を開いた忍性の墓とされてきましたが、関東大震災の折、倒壊した塔の内部から「多宝寺覚賢長老遺骨也嘉元四年二月十六日入滅」と書かれた骨臓器が発見されたことから、覚賢五輪塔と呼び改められるようになりました。「覚賢」という僧の事蹟はあまり判っていませんが、西大寺叡尊像納入文書などに「覚賢」の名が複数見られます。これだけで同一人物かどうか比定することは困難ですが、五輪塔の規模からみて相当の地位にあった方であることは間違いなく、開山・忍性の後を継いだ多宝寺の二世住持ではないかと考えられています。
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覚賢五輪塔の場所
覚賢五輪塔は、廃寺となっている旧・多宝寺境内の最奥にあり、現在では、浄光明寺の裏山にある冷泉為相の墓の裏手の木戸から続く山道を10分くらい歩き、回り込むようにしてたどり着きます。重要文化財の浄光明寺敷地絵図をもとに覚賢五輪塔の場所を赤入するとこんな感じ。
浄光明寺の境内の様子
この日は、とても良い天気でした。山門脇には「覚賢五輪塔特別公開」の張り紙がありました。
桜は、まだ花弁を残していますが、つつじがだんだんと綺麗になってくる頃です。
たんぽぽも、ところどころ咲いていました。
客殿脇の参道を抜け、石段を辿って仏殿、網引地蔵、冷泉為相墓と進んでいきます。
覚賢塔への山道
冷泉為相墓の裏手の木戸が開いており、山道が続きます。張り紙にもあるように、少し険しい道になります。木戸を出たところに小さな五輪塔がたくさん並んでいる窪みがありました。
この日は、ガイド付きで十名程度の団体客がいらしてました。
覚賢五輪塔
急な石段を下りると場違いなほどに大きな覚賢五輪塔が見えます。このように大きな五輪塔を建てるのは、西大寺系の律宗寺院でよくみられ、鎌倉では極楽寺の忍性塔が知られています。また、昭和五十一年に発掘された際に、塔の手前の地中に焼け焦げた跡があり、律宗西大寺派の慣しに従い、ここで覚賢の遺体が荼毘に付された可能性が高いことが判っています。
使われている石は「輝石安山岩」いわゆる「伊豆石」で、鎌倉の五輪塔ではよく使用されている石です。
他の宗派と異なり、塔の表面に梵字を刻まないのが律宗系の五輪塔の特徴です。
最後までご覧いただきありがとうございました。「覚賢塔」には、以前から是非お参りしたいと思っていたのですが、ようやく機会を得て満足しております。
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