桜咲く北鎌倉・円覚寺~湘南鎌倉お花見巡礼(2019年)~
- 2019.04.11
- 境内散歩
円覚寺には建長寺のような桜並木こそありませんが、境内には至るところに桜が植えられています。山門・仏殿等の伽藍や塔頭の建物を背にした桜の花は、なかなかに見応えがあります。 また、桜だけでなく沢山の春の花々が楽しめるのも円覚寺の特徴です。
境内図
次の境内図の赤い点線で囲まれたあたりに桜が植えられています。
総門付近
総門前の石段を背にJR横須賀線の線路を跨いだ南側も、実は円覚寺の境内です。ここにある池は白鷺池と呼ばれており、池畔にソメイヨシノが咲いています。
北鎌倉駅東口前の香下庵茶屋の桜も見事です。
自動車が入る裏門前の桜です。
早朝の総門です。托鉢に廻るのでしょうか開門時刻に 僧侶の列が出て来ました。
総門を内から見るとこんな感じ。
山門付近
石段下から見上げる円覚寺の山門のどっしり構えた姿は、鎌倉五山第二位の大寺に相応しい重みがあります。
桂昌庵
山門西側の塔頭・桂昌庵は閻魔堂とも呼ばれ、ご本堂内に、秦広王(しんこうおう)、初江王(しょこうおう)、宋帝王(そうていおう)、五官王(ごかんおう)、閻魔王(えんまおう)、変成王(へんじょうおう)、泰山王(たいざんおう)、平等王(びょうどうおう)、都市王(としおう)、五道転輪王(ごどうてんりんおう) の「十王」が鎮座します。またご本尊の「矢柄地蔵尊」にちなんで、弓道場が設けられています。
松嶺院
松嶺院は、円覚寺150世叔悦禅懌(しゃくえつぜんえき)の塔所です。当初は「不閑庵」と称していましたが、戦国期に古河公方・足利高基の息女・松嶺院月窓妙円尼から寺領の寄進があったことから、「松嶺院 」に改めたそうです。境内は、四季折々の花が植えられ、日当たりのよい墓地には作家の開高健や女優の田中絹代らが葬られています。
仏殿付近
仏殿付近には、桜だけでなく色々な花が咲いています。
花まつり(降誕会)
桜の季節4月8日の花まつりには仏殿内に「花御堂(はなみどう)」が据えられ「降誕会(こうたんえ)」が執り行われます。「花御堂」の天蓋は花で覆われ、内部には甘茶を満たした「灌仏桶(かんぶつおけ)」が置かれています。「降誕会」が終わりますと、参列者が、中央の誕生仏像に柄杓で甘茶を掛け、お釈迦様のご誕生をお祝いします。
選佛場(せんぶつじょう)
派手に目立つことのない建物ですが、円覚寺では特別な場所の一つで、 その名の通り、もともと円覚寺の座禅道場でした(現在は、正続院内の正法眼堂(禅堂)が座禅道場となっています)。また、円覚寺の御本尊「宝冠釈迦如来像」は、関東大震災(大正十二年・1923年)で仏殿が倒壊した後、昭和三十九年(1964年)に再建されるまでの間、こちらに安置されていました。
居士林(こじりん)
在家のための座禅道場として土日座禅会なども開かれていますので、お入りになった方もいらっしゃるでしょう。正式には「済蔭庵(さいいんあん)」という塔頭で、現在の建物は、東京・牛込にあった柳生流の剣術道場を移築したものだそうです。
妙高池付近
妙高池付近は、桜の木が多いところで、周囲の仏日庵・正伝庵・一撃亭・正続院等の建物に映えます。
仏日庵
円覚寺の開基廟のある仏日庵では、茶室「烟足軒(えんそくけん)」 の前に枝垂れ桜があります。
なお仏日庵のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒仏日庵
白鹿洞(はくろくどう)
黄梅院に向かう参道の仏日庵前にある白鹿洞では、山吹の黄色が鮮やかです。
黄梅院(おうばいいん)
黄梅院(おうばいいん)は、円覚寺十五世・夢窓疎石(夢窓国師)の塔所として創建され、足利幕府の保護を受けるなど円覚寺・夢窓派の拠点として重きをなして来ました。境内では様々な春の花が楽しめます。
蔵六庵付近
蔵六庵は、仏源大師・大休正念(だいきゅうしょうねん)の塔所で、もともと寿福寺に置かれていたものをその門弟が円覚寺に移転しました。法堂跡から東側を見上げると、竹林の中に蔵六庵が佇んでいます。
蔵六庵の北側には、臨済宗円覚寺派の宗務本所があり、その手前に桜が咲いています。
こちらは、宗務本所のすぐ前にある大方丈の唐門です。
帰源院
帰源院は、円覚寺三十八世・傑翁是英(けつおうぜえい)の塔所で、夏目漱石が参禅し、小説「門」のモデルとなったことでも知られます。こちらはご本堂横の桜です。
最後までご覧いただきありがとうございました。桜の季節に鎌倉を訪れる機会がありましたら、JR横須賀線で北鎌倉駅を過ぎる際に、車窓越しに見える円覚寺の桜を、一瞬でもお楽しみいただければと思います。
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