鎌倉・九品寺◆境内散歩◆
- 2019.02.09
- 境内散歩
鎌倉三十三観音霊場第十六番札所・内裏山霊嶽院九品寺は、鎌倉・材木座の京急バス「九品寺」停すぐ横にある浄土宗のお寺です。開基は、鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞で、義貞が鎌倉に留まった短い期間に唯一建立した寺院です。毎年10月に執り行われる光明寺の十夜法要では、「練宿」として練行列の出発地点となっています。
なお九品寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒九品寺へ
※写真をクリックすると拡大します。
九品寺の魅力
◎小振りな境内に凝縮された御本尊の阿弥陀如来立像(市指定文化財)、石造薬師如来坐像(県重要文化財)等の多くの貴重な仏像
◎鎌倉市内では数少ない新田義貞を偲ばせる史蹟
境内の様子
この写真では、隠れていますが山門には「内裏山」の山号額が掲げられています。
山門前の石碑は、向かって左が「弘法大師相模二十一ヶ所霊場」
第九番札所碑、右が「鎌倉三十三観音霊場」第十六番札所碑です。
境内の石畳をまっすぐ進んだ正面がご本堂で、「九品寺」の寺銘額が掲げられています。
ご本堂の内部はこんな感じ。正面に下半身だけ見える仏像が、鎌倉市文化財に指定されているご本尊の「阿弥陀如来立像」です。
「阿弥陀如来立像」は、このようなお姿です。 写実的な傾向が強い中国の宋・元様式の影響を受け、自然な立ち姿と豊かな衣文が特徴的です。また、鎌倉時代以降盛んになった眼に水晶を埋め込む「玉眼」の技法が使われています。
九品寺には、他にも評価の高い仏像があります。まず「石造薬師如来坐像」ですが、こちらは九品寺の創建・建武三年(1336年)より 以前の仁四年(1296年)に造立されたもので、造立時期が確認されている鎌倉の石仏の中では最古のものです。神奈川県重要文化財に指定され、現在は鎌倉国宝館に寄託されています。
また、こちらは「閻魔王像」です。もうひとつ「奪衣婆像」とペアになっており何れも江戸時代・承応四年(1655年)の造立で、やはり鎌倉国宝館に寄託されています。
さらに、山門を入った左手には「六地蔵板石」が「不動明王」と並んで置かれています。このレリーフは、よく見ると細かい部分までよく保存されております。造立年は不明です。
境内には、他に浄土宗開祖・法然上人のレリーフもあります。
材木座の浄土宗大本山・光明寺で毎年10月に行われる十夜法要では、練行列の出発点となります。→「鎌倉・光明寺~十夜法要・練行列~」参照
境内には、季節毎に梅、凌霄花、酔芙蓉なども咲いています。
最後までご覧いただきありがとうございました。見た目は地味なお寺さんですが、立派な仏様を多数所蔵されており、浄土宗・大本山の光明寺とも関係が深く、なかなかに深い歴史を秘めておられるようです。
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