鎌倉・補陀洛寺◆境内散歩◆
- 2018.10.14
- 境内散歩
補陀洛寺は、光明寺にほど近い材木座南部に位置します。「竜巻寺」の別称の通り創建以来幾度も竜巻の被害を受けたため、詳らかでない部分の多い寺伝ですが、サンスクリット語の「Potalaka」を中国語に音訳した「補陀洛」という寺名とも相まって、かえってエキゾチックな魅力が増してくる、どこか不思議なお寺です。寺名の元となった補陀洛山は観音菩薩が降臨するとされる伝説上の山で、インドの南端にあるとされています。鎌倉の南端・材木座に創建されたこのお寺が「南向山・補陀洛寺」と名付けられたのも、こうした謂れがあると思われます。
なお補陀落寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒補陀落寺へ
※写真をクリックすると拡大します。
補陀落寺の魅力
◎往時の隆盛が偲ばれる日本史のビッグネームに由来する仏像・寺宝群
◎インド仏教世界を体現するエキゾチックな寺名「補陀洛寺」と、想像を刺激する「竜巻寺」の別称
◎夏季の境内を彩る百日紅の大木
境内
京急バス「九品寺」停を降りて、直ぐ近くの村木薬局横の路地を東に入り、左に少し進むと、補陀洛寺の石の門柱が見えてきます。向かって左側には「源頼朝公御祈願所南向山補陀洛寺」と刻まれた背の高い石柱と、「大師道」と書かれた背の低い石柱があります。
境内に入ると目立つのが大きな百日紅の木です。秋口の写真ですので、少し寂しくなっています。
ご本堂です。こじんまりしておりますが、数多の災害を潜り抜けて、ご本尊の木造十一面観音立像を始め、元のご本尊で行基作と伝えられる薬師如来像、運慶作と伝えられる日光菩薩・月光菩薩等、多くの仏像が安置されています。明治元年に発生した火災では、建物は焼けてもこれらの仏像は全て無事であったとのことです。他に平家の総大将平宗盛の赤旗が保管されています。
木造弘法大師(秘鍵大師)坐像は、こんな感じです。
「鎌倉の在銘彫刻」(鎌倉国宝館)より
境内で目立つのが、この記念碑です。「市瀬正毅」さんという湘南高校の先生で、甲子園で初出場初優勝した時の野球部長だった方を偲んでとのことです。
境内には、他に石造五重塔を始めとする石塔群があります。
◆補陀洛寺の鐘について
現在の補陀洛寺には鐘楼はありませんが、松ケ岡で農民が掘り出して今の東慶寺・鐘楼に吊るされている鐘には「補陀洛寺」の文字があります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
光明寺と一緒にお参りすると、鎌倉三十三観音のご朱印集めには効率的です。
こちらのページもご参考にどうぞ
⇒補陀洛寺へ
-
前の記事
鎌倉・安養院◆境内散歩◆ 2018.10.11
-
次の記事
鎌倉・光明寺~十夜法要・練行列(2018年)~ 2018.10.16
コメントを書く