鎌倉・安養院◆境内散歩◆

鎌倉・安養院◆境内散歩◆

安養院は、鎌倉駅東口から若宮大路を南に下り、下馬四つ角を左折しJR横須賀線の踏切を超え、大町通りを6~7分程度歩いた左手にあります。坂東三十三観音霊場の第三番札所として有名で、地元でも鎌倉三十三観音霊場の第三番札所、鎌倉二十四地蔵尊霊場の第二十四番・結願の札所でもあります。また、ゴールデンウィーク頃の境内を濃いピンク色に埋め尽くす躑躅は、鎌倉の寺社では随一と言ってよいと思います。

なお安養院のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒安養院へ

※写真をクリックすると拡大します。

安養院の魅力

◎三つの寺院が絡みあう寺史に織り込まれた戦乱と火災の歴史

◎ゴールデンウィークの楽しみが増えたような気にさせる境内にあふれかえった躑躅のピンク色

◎鎌倉最古と云われる伝・尊観上人墓「宝篋印塔(重要文化財)」

◎時代を超えて数多の巡礼者と喜びを共有できる鎌倉二十四地蔵尊第二十四番札所での結願

境内図

安養院の成り立ち

鎌倉の寺社の多くは、鎌倉幕府滅亡以降、数多くの戦乱、火災、政治的変革に見舞われ、程度の差こそあれ、様々に変遷を重ねて参りました。その典型の一つとして安養院における三つの寺院統合の歴史を表にまとめてみました。寺院の名称は笹目ケ谷の「長楽寺」、寺院の場所は大町の「善導寺」、看板の「坂東三十三観音霊場第三番札所」は比企ケ谷の「田代観音」というモザイク状のルーツからは、代々のご住持が重ねて来られた辛苦と努力の歴史が偲ばれます。

主な建物

大町通りを鎌倉から逗子方面に進みますと、左手に「坂東第三番田代観音」と刻まれた石碑が立っており、山門へと通路が続いています。写真が用意できずに残念ですが、このあたりは全て躑躅の木になっておりまして、ゴールデンウィークあたりはとても美しいエリアです。

石段の上に山門が見えます。奥に見えるのがご本堂「観音堂」です。

普段のご本堂は、こんな感じです。

8月10日「四万六千日詣り」の日の早朝のご本堂の様子です。この日は扉が解放され、お堂の内部は青い蝋燭で明るく照らされていました。

明るく照らされたご本尊の阿弥陀如来様と千手観音様のお姿を観ながら参拝させていただきました。納経所で購入した観音様の御影は、こんな感じです。

山門を入ってすぐ左手にあるのが地蔵堂です。

中には、日限(ひぎり)地蔵様が安置されています。お顔の一部に補修のあとがあります。

ご朱印は、山門に入って右脇の納経所でいただけます。

庫裡は、こんな感じです。

ご本堂と庫裡は渡り廊下で結ばれています。

境内の見どころ

庫裡の前には、十三重の石塔が立っております。

初夏には、石塔の手前にハスの花が咲いています。

ご本堂に向かって左手には、鎌倉市の天然記念物とされる大木「尊観上人御手植えの槇」が聳えています。

ご本堂の裏手に向かう右側には、仏足石があります。鎌倉では最初のものということです。

左手には、お地蔵様が三体並んでおり、向かって右から夫婦地蔵様、御助地蔵様、親子地蔵様となっております。

ご本堂の裏手に回りますと石仏がずらりと並んでいます。

その右手には、庚申塔、無縫塔、宝篋印塔等が立っています。

一番奥には、向かって右側に重要文化財の伝・尊観上人墓「宝篋印塔」があります。元々この地の「善導寺」にあったものと思われます。

向かって左側は、伝・北条政子の墓がありますが、こちらは北条政子の香華寺であった笹目ケ谷の「安養院(元・長楽寺)」より移転したものと云われています。

最後までご覧いただきありがとうございました。
鎌倉三十三観音霊場の札所としては、鎌倉駅から安養院に向かう途中に、延命寺、教恩寺、別願寺があり、材木座方面に足を延ばすと向福寺、来迎寺(材木座)あたりまでなら歩いて楽に参拝できます。全て徒歩でまとめてお参りできるエリアですので、昔の巡礼者の感覚をプチ体験するのもよいのではないかと思います。

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