鎌倉・光明寺◆境内散歩◆

鎌倉・光明寺◆境内散歩◆

光明寺は、浄土宗鎮西派の大本山であり、総本山の京都・知恩院に次ぎ、芝・増上寺や善光寺・大本願と並ぶ寺格のお寺です。大本山に相応しい広大な境内には、鎌倉最大級の本堂(大殿)や山門を始めとする立派な伽藍が整備されています。お寺の伝統的な年中行事だけでなく様々なイベント活動にも協力し、境内スペースの提供や寺が所有する文化財の公開にも積極的です。

なお光明寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒光明寺へ

※写真をクリックすると拡大します。

光明寺の魅力

◎南側にすぐ材木座海岸が開ける広大で開放的な境内

◎長い歴史の中で蓄えられた国宝を含む数多くの文化財

◎蓮池を中心に緑が映える古代ハスの浮かぶ伝・小堀遠州作の記主庭園

◎地元に深く根付いた数多くの年中行事及びイベント

境内図

総門から山門へ

まずは、京急バス「光明寺」停を降りて目の前の「総門」に進みます。
他の建物と比べて地味な印象ですが、鎌倉市の指定文化財に指定されています。

総門から山門にかけての広いスペースは、一部駐車場・WCとして利用されている他、伽藍は配置されていません。
このスペースの先には、鎌倉最大級の山門(三門)が見えてきます。現在のものは弘化四年(1847年)に再建されたものです。

山門内部は三月下旬の観桜会と十月の十夜法要の日に拝観できます。普通の日は、団体(20名以上)で予約が必要です(お寺の審査有)。
私は、特別拝観日に入らせていただきました。頭を打ちそうになりながら木の階段を二階に上っていきますと、釈迦三尊(釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩)と、極彩色の四天王・十六羅漢が安置されていました。何れも江戸時代の作品です。


総門側に開けた山門の窓からは、稲村ヶ崎が一望できます。

大殿(本堂)

山門を入ると、「大殿(本堂)」の巨大な銅葺屋根の青に圧倒されます。元禄十一年(1698年)の建立。

本堂の中は、自由に拝観できます。まずご本尊の阿弥陀三尊にお参りします。

向かって右側の檀上には、善導大師等身大立像と弁財天像が安置されています。

「善導大師等身大立像」


「弁財天像」

逆に、向かって左側の壇上には、如意輪観音像と法然上人像が安置されています。

「如意輪観音像」


「法然上人像」

グランドピアノの傍を通り大殿の右手の縁側に出ると「三尊五祖の石庭」が広がります。
釈迦三尊と浄土宗の五祖(釈尊、善導大師、法然上人、鎮西上人弁長、記主禅師)になぞらえた庭石を配置し、砂紋を丁寧に描いた石庭です。

記主庭園と大聖閣

大殿から開山堂に続く渡り廊下の北側には蓮池を中心とした庭園が広がります。これが小堀遠州作と伝わる記主庭園です。対面には八角形の大聖閣が見えます。シーズンには、蓮池は緑と花に埋まります。

ショウジョウトンボも蓮の花で一休み。

蓮池の奥の方では、古代ハス(大賀ハス)が淡いピンク色のつぼみをつけていました。

観蓮会の時に、大聖閣側から撮影しました。
大聖閣で催された観蓮会の様子は、こちらの記事をどうぞ。
⇒光明寺・観蓮会(2018年)

大聖閣の2層目には阿弥陀三尊像が安置されています。

境内の様子

大殿に向かって左側には大殿と渡り廊下で繋がる「開山堂」があります。開山堂の左隣に少し屋根が見えているのが寺務所です。こちらでご朱印をいただきます。

開山堂には、記主禅師をはじめ歴代法主の御影が祀られています。

中央が記主禅師です。

大殿と開山堂を結ぶ渡り廊下の手前には、浄土宗二祖の「善導大師」の像があります。

大殿に向かって右側には「地蔵堂」があり、お地蔵様が二尊祀られております。

まずは、向かって右側の延命地蔵尊(鎌倉二十四地蔵尊の第二十二番)です。
元々は、光明寺裏の天照山を通る小坪切通の鎌倉側にあるやぐらにいらっしゃった
そうです。

向かって左側が、網引地蔵尊です。

猫が近くを通り過ぎました。

山門から大殿に向かって進んだ右手には「鐘楼堂」があります。総欅瓦葺きで、山門と同じ弘化四年(1847年)の建造です。

鐘楼堂に向かって左側には「繁栄稲荷大明神」が祀られています。
記主禅師が佐助に住まわれていた頃に子狐を助けた際、夢に親狐が現れてお礼に置いて行った薬種が疫病流行の時に非常に多くの人々を助けたことから、佐助稲荷を勧請したものでです。

天照山

光明寺の山号にもなっている天照山へは、三尊五祖の石庭の右横から上っていきます。とても見晴らしがよく、眼下の伽藍の屋根の向こう側に稲村ヶ崎まで見渡せます。

少し先に行くと左側に石標が立っておりますので、そこを左折します。

ずっと進んだ最奥に、良忠上人(記主禅師)の御廟があります。ここには歴代の住職の墓所も並んでいます。

内藤家の墓地

地蔵堂の右手にある材木座幼稚園の裏側が日向・延岡藩7万石の譜代大名、内藤家の墓地になっております。ちょっと怖い雰囲気です・・・。

最後までご覧いただきありがとうございました。
逗子市との境の材木座の最奥にある光明寺までは足を運ばない方も多いですが、オフシーズンの平日には広々とした境内を拝観料無料で独り占めし、本殿の中まで解放していただける贅沢を味わうことができます。
桜の頃、蓮の頃、紅葉の頃と、四季折々の変化が楽しめるお寺ですので、お参りして損はありません。

こちらのページもご参考にどうぞ
⇒光明寺へ