鎌倉・妙法寺◆境内散歩◆
- 2018.08.29
- 境内散歩
妙法寺は、日蓮上人が鎌倉にて初めて庵を結ばれた松葉ケ谷草庵跡に創建された寺院です。開山の日蓮上人は、甲斐の国・身延山久遠寺に移られるまでの二十数年間にわたり、ここを拠点に布教に努められました。
その後、第五世・日叡上人(護良親王の御子)が、現在に繋がる堂塔伽藍を整え、実質的に妙法寺を建立したことで中興開山と位置付けられています。
なお妙法寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒妙法寺へ
※写真をクリックすると拡大します。
妙法寺の魅力
◎初夏に際立つ深い緑の「苔の石段」
◎「松葉ケ谷の法難」を始めとする寺史に刻まれた日蓮上人布教の軌跡
◎稲村ヶ崎を遠望できる護良親王墓所からの眺め
境内図
妙法寺まで
鎌倉駅東口を出て、若宮大路を南に下りしばらく行くとJR横須賀線の下をくぐりますが、その直前の横断歩道で若宮大路を渡りJR横須賀線の北側に沿って数十m歩くと右手に「大町踏切」があります。これを背にして
県道311号線を逗子方面に7分程度歩くと、ローソンの先に「安国論寺」を指す立て看板がある分岐点があります。そこを左に入っていきますと、突き当りが「安国論寺」になります。左を見ると「妙法寺道」と記された石の道標があります。
その道を進み1分ほどで右手に「妙法寺」の総門が見えて来ます。総
門にはうっすらと朱塗りの跡が見えます。
ご本堂周辺
総門からは入山できませんので、左脇の受付で拝観料300円を支払い境内に進みます。
左手が庫裡、正面がご本堂となっていますのでお参りします。現在のご本堂は、江戸時代に肥後・細川家により寄進されたものです。ご本堂には、題目宝塔を中央に左右に釈迦如来と多宝如来を配し、さらにその左右に上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩の四菩薩を配した「一塔両尊四師」が安置されています。日蓮宗寺院ではオーソドックスな様式。
本堂の手前を右に進み、さらに総門を背に左に曲がると、正面に「仁王門」が見えてきます。
少し進むと左手に「大覚殿」があります。ここには有名な戦国武将・加藤清正公をお祀りしており、毎年5月5日には清正公祭が催されます。
内部には、お釈迦様、お稲荷様、清正公の像がそれぞれ安置されているとのことです。
このあたりは、お花もきれいです。
「仁王門」にはしっかりと朱塗りが施され、今も江戸時代に将軍を迎えた頃の格式を保っています。仁王様もしっかりと睨みを利かせておられます。
苔の石段
仁王門の脇を抜け見上げますと、有名な「苔の石段」があります。鎌倉における日蓮宗布教苦闘の歴史をその一段一段に刻み込んだかのような深緑の長い石段です。
法華堂には、右脇の階段を登っていきます。
法華堂周辺
少し息を切らして登りきると、正面は法華堂です。当初建立された法華堂は、足利尊氏の時代に京都・本圀寺に移設されましたが、江戸時代後期に水戸徳川家により再建され、現在に至ります。法華堂のご本尊は日叡上人作の「厄除祖師」像です。
法華堂を右にして、左手前には、日叡上人御手植えのソテツが今も残っています。樹齢の長いソテツを植えられたのは大正解でしたね。
法華堂に向かって左側、「苔の石段」を上りきった正面には「釈迦堂」があったとのことですが、現在は石のお釈迦様が坐っておいでです。
「釈迦堂跡」を右してに、正面を見ますと「鐘楼」があります。
奥ノ院御小庵跡
鐘楼横の石段をさらに上りますと、そこが「松葉ケ谷の法難」で有名な「奥ノ院御小庵跡」で、日蓮上人が山王権現の化身の白猿に救われたという伝説の地です。実は安国論寺内にも「御小庵」がありまして、どちらが「御小庵」の正確な場所であるのかは決着を見ておりません・・・が、この伝説の大意さえ掴めば、小事に捉われる必要はないでしょう。
日叡上人御墓近辺
「奥ノ院御小庵跡」を正面に見て、足元に注意が必要な狭い山道を左に行くと、日叡上人の母君の「南の方」のお墓があります。
さらに山道を進むと、日叡上人のお墓と、日蓮上人、二祖・日朗上人、三祖・日印上人、四祖・日静上人の御供養塔があります。
護良親王御墓
ここで、今来た道を滑らないように注意して「奥ノ院御小庵跡」まで戻ります。今度は「奥ノ院御小庵跡」を正面にして右手に進みます。すると「護良親王御墓」の標識がありますので、その先の狭い石段を上ります。「
登りきったところが「護良親王御墓」になります。実は、鎌倉・二階堂の理智光寺跡に立派な護良親王のお墓がありまして、護良親王の御骨はこちらに収められているようです。妙法寺の「護良親王御墓」は、父・護良親王の菩提を自らの手で日々弔いたいとの日叡上人の思いから建てられたものなのでしょう。
遠くに稲村ヶ崎まで見える素晴らしい展望です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ゆっくり回っても1時間はかかりませんので、室町以降、武家を中心に隆盛を極めた日蓮宗のルーツとなる妙法寺に足を運んでみるのもよろしいのではないでしょうか。
こちらのページもご参考にどうぞ。
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