丸山稲荷社◆鶴岡八幡宮・境内散歩(その7)◆

丸山稲荷社◆鶴岡八幡宮・境内散歩(その7)◆

「丸山稲荷社(御祭神・倉稲魂神(うかのみたまのかみ))」は、鶴岡八幡宮・本宮の西側にある小高い丘の上に鎮座する鶴岡八幡宮の末社で、源頼朝による由比若宮からの遷宮前よりここ旧・小林郷に祀られていたことから「地主稲荷」の別称を持ちます。もともとは現在の本宮の位置にあり「松岡明神」と呼ばれておりましたが、建久二年(1191年)の大火で旧・若宮が焼失した後、頼朝が大臣山中腹を切り開き本宮を造立し石清水八幡宮を勧請した際に、現在の位置に遷座したものです。その後衰微しましたが、江戸時代・寛文年間になって旧・仁王門前にあった「酒宮(さけのみや)」と呼ばれる稲荷社を丸山に遷すことで再興されました。現在の社殿は、明応九年(1500年)に造営されたものと云われ重要文化財に指定されていますが、当初は本宮西側の石段北側にあった柳営社(御祭神・源実朝公)の社殿でした。明治二十一年(1888年)に白旗神社が本宮西側より柳原神池畔に移転した際に柳営社を廃して実朝公を白旗神社に合祀したことから、旧・柳営社の社殿は丸山に移築され今の形となっています。

なお鶴岡八幡宮のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
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年中行事

丸山稲荷社初午祭(2月初午)

「初午祭」は、和銅四年(711年)の旧暦二月最初の午の日「初午」に京都・伏見稲荷大社の御祭神・ 宇迦御霊神(=倉稲魂神)が伊奈利山に降臨されたことに由来して、全国の稲荷社でが執り行われる御祭で、一年の五穀豊穣を祈ります。丸山稲荷社では、例年13時に始まる祈願旗の奉納祈願祭に続いて、14時より祭典が執り行われ二名の巫女による御神楽も奉納されます。

丸山稲荷社例祭(4月9日)

丸山稲荷社の例祭は、すっかり暖かくなった毎年4月9日に執り行われます。初午祭・火焚祭では開かれることのない本殿の御扉が、例祭の神事でのみ開かれ、巫女二名による御神楽も奉納されます。

丸山稲荷社火焚祭(11月8日)

秋の収穫を無事に終え、五穀豊穣に感謝する京都・伏見稲荷大社の「火焚祭」に倣い、毎年11月8日には丸山稲荷社でも「火焚祭」が執り行われます。ここで奉納される鎌倉神楽は、境内に据えられた湯釜から立ち上る湯気と、本殿前に設えられた赤・青・黄色と色とりどりの「紙垂(しで)」も鮮やかな「山」が印象的な鎌倉伝統の御神楽です。鎌倉神楽は様々な祭礼で演じられますが、今に伝わる十二座が全てが演じられることはあまりなく、丸山稲荷社火焚祭は全十二座を目にすることのできる数少ない機会となっています。

神事が始まる前から、鎌倉神楽で重要な役割を担う湯釜が沸き立ちます。

こちらは、色とりどりの神垂を纏った「山」です。中央の紅白の御幣より神様が降りて参られます。

湘南地区の御神職有志で構成される鎌倉神楽保存会の皆様です。

修祓、献饌と神事は進みます。

こちらは、鎌倉神楽の御供物です。白い御幣の横に盛られた飴玉は、最後十二座目の「毛止幾(もどき)」で参列者に撒かれます。

「打囃(うちはやし)」に続く「初能(はのう)」です。このお役目は当該神社の御神職がお務めになるというのが原則です。

続いて「御祓(はらい)」。

こちらは神様を「山」にお招きする「御幣招(ごへいまねき)」です。

「湯たぶさ」を湯に浸し、神前に供える「湯上(ゆあげ)」です。

「中入れ」を挟んで、クライマックスの「掻き湯(かきゆ)」です。掻き混ぜた湯釜の中の湯花の上がり具合で、年の豊凶を占うとされていますが、現在ではそのノウハウは失われているようです。

所要のため、この日は撮影できませんでしたが、この後も御神楽は続きます。

境内の様子

西の石段付近

本宮に向かう西側の石段です。石段に向かって右手は車お祓い所となっており、手水舎が手前にあります。

丸山上り口

石段を上り切り、本宮側に回り込んだところから見た上り口です。

丸山稲荷社の絵馬は、赤い鳥居形です。

こちらは、テレビでお馴染みの漫画家・蛭子能収さんが奉納した鳥居です。

境内

鳥居のトンネルを潜り抜けると丸山の頂上の境内に出ます。

社殿

こじんまりとした社殿ですが、室町時代の造営で国の重要文化財に指定されています。もとは源実朝を祀る柳営社の社殿でしたが、明治時代に移築されたものです。

賽銭箱も赤で統一。

灯籠と狐像

正面鳥居脇の左右の石灯篭と狐像

社殿の四隅にも稲荷神の眷属である狐が配されていますが、社殿奥の二体には、何故か首がありません。何か謂れがあるのでしょうか・・・。

向かって左手前の狐像
向かって左奥の狐像
向かって右手前の狐像
向かって右奥の狐像

桜の頃

丸山の上り口には、控えめながら桜が咲きます。

紅葉の頃

西の石段付近が色付く頃の写真です。

最後までご覧いただきありがとうございました。本宮のすぐ西の脇に鎮座し、鶴岡八幡宮駐車場から本宮に詣でる流れでお参りしやすいお社ですので是非お立ち寄りください。