龍峰院◆鎌倉・建長寺・境内散歩◆
- 2019.08.11
- 境内散歩
半増坊道を進み正統院の石段に突き当たる手前西側の石段を上ったところにある龍峰院は、建長寺第十五世・約翁徳倹の退居所として徳治二年(1307年)に北条貞時により創建され、現在は鎌倉三十三観音霊場29番札所をお務めです。山門には「不許拝観」の札が掲げられているように非公開とされていますが、ご朱印を受けられる方は入ることができます。
なお龍峰院のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒龍峰院
※クリックすると拡大します。
◆約翁徳倹(やくおうとくけん)
龍峰院・開山の約翁徳倹は、鎌倉の孤児でしたが蘭渓道隆の童役となり、宋に渡った8年間を除き常に蘭渓道隆に随侍し続けた方です。蘭渓道隆・直系の建長寺主流派・大覚派のリーダーとして、鎌倉では建長寺を始め東勝寺・禅興寺・浄明寺、京都では建仁寺の住持を務め、最後は「五山の上」京都・南禅寺に住して示寂しました。その為、南禅寺・牧護庵も約翁徳倹の塔所とされています。
龍峰院の魅力
◎蘭渓道隆・直系として多くの建長寺住持を輩出した建長寺主流・大覚派の拠点
◎龍峰院に入山できる数少ないチャンス鎌倉三十三観音霊場第29番札所本尊・聖観音菩薩のご朱印
◎舎利器や銘札を胎内に蔵する鎌倉市文化財の約翁徳倹坐像
◎宝冠釈迦如来像にも見える??鎌倉市文化財の聖観音菩薩坐像
龍峰院の位置
巨福稲荷付近から半増坊へと続く半増坊道を北に進んで、正統院の石段より少し手前左手に見える「杉之谷瓣才尊天」石碑横の石段が龍峰院参道となっています。
天下門から龍峰院石段下まで
天下門付近
建長寺駐車場西側にある外門は、「天下禅林」の扁額が掲げられていることから「天下門」と呼ばれています。
金龍水跡
天下門近くの郵便ポストの根元に、周囲と違って赤み掛ったタイルが張られている箇所があります。
ここは鎌倉五名水のひとつとされていた「金龍水」の井戸の跡で、昭和28年(1953年)の県道拡張工事に際して埋められたそうです。その後井戸枠だけは残されていましたがそれも撤去され、今はこの赤いタイルだけとなりました。
総門付近
天下門を入り、いつものように総門を潜り、拝観料を納めてから唐門前広場に進みます。この日は、建長寺オリジナルのご朱印帳も購入しました。
唐門付近
「唐門」は、東京の芝・増上寺から、徳川幕府二代将軍・秀忠公夫人・崇源院(お江与の方)霊屋前の中門 が移築されたものです。門前に並べられた水瓶には、綺麗な蓮が咲いています。
こちらは、ホトトギスと桔梗です。
半増坊道
こちらは、唐門前広場付近の東司(トイレ)前を、北に向かう半増坊道です。少し進んだ左手に「勝上巘地蔵尊道」 と刻まれた石碑があります。
更に進むと、左手にいくつか石段が見えてきますが、下の写真の赤い小型車の向う側、軽トラ荷台手前に見えるのが龍峰院の参道石段です。
龍峰院石段
この石段の正面突当りが、龍峰院です。
石段を少し上がると、白い桔梗が咲いています。
さらに先に進むと、左斜め下から右上に抜ける石段とクロスしますが、この石段は「龍峰院」北隣にある「天源院」の参道石段です。
山門
こちら正面が、龍峰院の山門です。左わきの石碑には、龍峰院と刻まれています。
扁額には蓬莱山とあります。
山門内には、「不許拝観」と書かれた木札のかかる右脇のくぐり戸から入ります。裏側には呼び鈴がいくつもぶら下がっています。
境内の様子
中門
奥行きのある石畳の行く先に「龍峰」の扁額が掲げられた中門がありその先がご本堂です。中門脇に鮮やかな黄色のヘリオプシスが咲いています。
ご本堂
ご本堂は、こんな感じ。
龍峰院の御本尊は南北朝期の仏師・運朝の作とされ ている「聖観音菩薩坐像(鎌倉市文化財)」で、寄木造玉眼入です。禅定印を結んだ菩薩形で、宝冠を頂いておられることから宝冠釈迦如来像ではないかとの異説があります。
ご本堂には、鎌倉市指定文化財の「約翁徳倹木造坐像」も安置されています。胎内からは木札と舎利器が発見されています。
ご朱印所
ご本堂に向かって右手最奥を左に曲がるとご朱印所があります。この日は「鎌倉三十三観音二十九番札所本尊・聖観音菩薩」「ご詠歌」「仏燈国師」「宝冠釈迦如来」のご朱印をいただきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。久しぶりに訪れた龍峰院でしたが、夏場の今回は鮮やかな緑に包み込まれるようで、冬場とは全く違う印象でした。
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