鎌倉文学館~バラまつり(2019年)~
- 2019.05.26
- 湘南鎌倉浮世巡り
鎌倉文学館では、毎年バラが見頃の春と秋に催しがあり、手入れの行き届いた200種245株のバラが楽しめます。今回は、現在開催中の「鎌倉文学館バラまつり2019」(5月10日~6月9日)の様子をご紹介します。この期間中は、毎週金曜日に「バラ解説」が行われる他、バイオリンやピアノのコンサート等も開かれます。なお秋の催しは「鎌倉文学館フェスティバル 」と呼ばれ10月から11月にかけてバラを楽しめます。
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鎌倉文学館の様子
由比ヶ浜通りの鎌倉文学館入口には、この日に予定されているヴァイオリン&ピアノコンサートの案内板がありました。
前田侯爵家の別邸だった昔は、四頭立ての馬車が通ったであろう石畳を進むと「鎌倉文学館」の門柱があります。こちらで入場料をお支払して進むとトンネルがあり、その先に鎌倉文学館本館(旧前田侯爵家別邸)が見えてきます。
◆旧前田侯爵家別邸
1890年頃、旧加賀藩主・前田侯爵家の鎌倉別邸「聴涛山荘」として建てられましたが、その後火災による焼失、関東大震災による倒壊等の被害を受けました。現在の建物は「長楽山荘」と呼ばれ1936年に洋風に改築されたものです。第二次大戦後は、デンマーク公使や内閣総理大臣・佐藤栄作の別荘としても使用されていましたが、1983年に鎌倉市に寄贈され、1985年より鎌倉文学館として一般公開されました。なお2000年には国の登録有形文化財に指定されています。
鎌倉文学館本館外観
2000年に国の登録有形文化財に指定された鎌倉文学館本館の様式は、スペイン風に仕上げられたハーフティンバー様式を基調としていますが、雨の多い日本の気候に配慮した瓦葺きの切妻屋根や深い軒など所々和風の建築様式も取り入れられています。ハーフティンバー様式(半木骨造)は、北ヨーロッパでよくみられるもので、柱・梁・筋違といった木の構造材を壁で包み込むことなく露出させ、そうした構造材の間を土や石で埋めて壁を形成します。日本では、これだけの規模のハーフティンバー様式の洋館は珍しいそうです。
バラ園の様子
200種245株ものバラが咲き誇るバラ園は、とても見応えがあります。「鎌倉」「実朝」「静の舞」など地元ゆかりの名前が付けられたバラもたくさんあります。
まずは、ペレニアルブラッシュでできた入口のアーチです。
園内は、薔薇の花で埋められています。
お気に入りのバラ・十選
取りあえず私のお気に入りを10種ほどピックアップしてご紹介します。
ピンクダブルノックアウト
「ピンクダブルノックアウト」は、微妙にグラデーションの付いたローズピンクの花色が目に鮮やかで、その名の通りノックアウトされそうす。外側剣弁咲きで香りは微香。丈夫な四季咲きの花ですので剪定で開花時期をコントロールできます。
プリスタイン
「プリスタイン」は、頬を赤らめた少女のような楚々としたピンクの縁が特徴的な大輪の剣弁高芯咲きです。四季咲きで原産は米国。
希望
「希望」は、半剣弁高芯咲き、花弁の表は緋紅で裏は黄色という複色花です。 日本製の四季咲きで国際コンクールでも多くの受賞歴があります。
マダムヴィオレ
「マダムヴィオレ」は、上品なパープルの花弁が芯高く巻き上がった剣弁高芯咲きのフォルムで切り花でも人気があり、美空ひばりさんがお好みであったバラとして知られています。作出は1981年と意外と新しいのですが、日本を代表する紫彩のバラと云えます。
星光
「星光」は「八重咲き」のレモンイエローの大輪が目立ちます。四季咲きで、時には「抱え咲き」や「剣弁高芯咲き」にもなります。
ベンタウン
「ベンタウン」は、まだ白色が混ぜ切れていない、造りかけのピンク色が載ったパレットみたいな絞り模様が特徴で、 一輪一輪違った色合いを見せてくれるのが楽しいバラです。剣弁高芯咲き。微香性。
フィオルド
「フィオルド 」は、艶やかな濃厚ピンクが目立つ剣弁高芯咲きの大輪が魅力的です。作出国はフランスで、四季咲きです。
恋心
「恋心」は、絵に描いたようなローズピンクで、剣弁高芯咲きの王道を行くバラらしいバラと云えます。作出国は日本。強い香りが印象的です。
羽衣
「羽衣」は、まさに天女が纏う羽衣のように、幾重にも重なる薄桃色の花弁がやさしい「つるバラ」です。剣弁高芯咲きで、控えめな香り。
プリンセスドゥモナコ
「プリンセスドゥモナコ」は、白地を幅のあるピンクの覆輪で囲った気品ある花弁が特徴的です。その名の通りモナコ大公レーニエ三世妃・故グレース・ケリーに捧げられました。作出国フランス。
バラ園から見た鎌倉文学館本館
美しいバラ越しに見る洋館というのは、本当に少女マンガの世界ですね。
ヴァイオリン&ピアノのコンサート
春の「バラまつり」では恒例の「ヴァイオリン&ピアノのコンサート」ですが、今年は、ヴァイオリン・能澤摩耶さん、ピアノ・辻英恵さんの東京音大コンビの演奏を楽しませていただきました。
鎌倉文学館本館前の広場の観客席は、ほぼ満員でした。
青と白のテントの下での熱演・生演奏です。
辻英恵さんのCD「one-over-f」も頒布されていました。
最後までご覧いただきありがとうございました。寺社巡りの中では、バラを見かける機会が意外と少ないことから、季節の鎌倉文学館は楽しみにしてます。
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