鎌倉・常楽寺~文殊祭・「大般若経」転読(2019年)~

鎌倉・常楽寺~文殊祭・「大般若経」転読(2019年)~

鎌倉市・大船にある臨済宗の古刹・粟船山(ぞくせんさん)「常楽寺」では、毎年1月25日に 「文殊祭」が執り行われます。 ここでの見所は何と言っても 大勢の職衆・僧侶による「大般若経」の転読です。小さな文殊堂の縁側にまではみ出す十数名の僧侶が、「大般若経」全十六部六百巻を、アコーディオンを奏でるように、左手から右手、右手から左手と数回移し替えることで疑似的に読経し、一巻の疑似読経を終える毎に、その巻の読経が成就した旨を大声で宣します。また参拝者には、檀家の皆さんより甘酒が振舞われます。なお秘仏の木造文殊菩薩像 が年にこの日だけ御開帳されるのですが、一般の参拝者には見えにくいのはちょっと残念です。

◆2021年・常楽寺・文殊祭の予定◆

開始日時 2021年1月25日 14時
場所 文殊堂

なお、大般若経の転読の様子の動画をアップロードしましたので、ご覧ください。

参道の様子

常楽寺」バス停 を下りて、大船駅方面に100mほど進むと粟船山常楽禅寺と刻まれた寺名碑が見えます。

寺銘碑

参道に入ると大きな幟旗が両脇に立ち、その奥の山門には白い幔幕が張られています。普段、この山門は通行できないようになっていますが、文殊祭では、特別に開門されます。

幟旗
山門
山号額
提灯

山門には、文殊祭の案内が掲示されていました。

掲示

お囃子の太鼓も準備されていました。

参道両脇には、地元の小学生の手による燈籠がズラリと並んでいました。

※クリックすると拡大します。

境内の様子

仏殿

正面には、仏殿(県重要文化財)が見えます。ここには普段ですと「阿弥陀三尊像」が安置されているのですが、この日は、修理の為両脇侍(勢至菩薩・観音菩薩)がいらっしゃいませんでした。

仏殿(県重要文化財)
「阿弥陀三尊像」(「常楽禅寺誌」より)
2019年1月25日文殊祭での御本尊(両脇侍不在)

文殊堂

仏殿に向かって左側の文殊堂は、年に一度の御開帳ということで、正面と向かって右側の二方の扉が開け放たれています。

文殊堂
文殊堂・正面

文殊堂・向かって右面

甘酒のご接待

この日は、檀家の皆さんにより甘酒が振舞われました。またお守りや縁起物も販売されていました。

文殊祭

導師・職衆(しきしゅう)入堂

法会をお勤めになる導師や識衆(しきしゅう)の皆さん計十数名が、ご本堂より文殊堂にお入りになります。

「大般若経」転読

職衆の皆さんが「大般若経」全十六部六百巻を手分けして転読します。
転読 では、経本をアコーディオンを奏でるようにぱらぱらと、左手から右手、右手から左手と数回移し替えることで、疑似的に読経したこととなり、一巻の疑似読経を終える毎に、その巻の読経が「成就」した旨を大声で宣します。

「観音経」読誦

「大般若経」の転読が終わると、「観音経」が読誦されます。

退下

導師・職衆の皆さんが、文殊堂を退下され、ご本堂に向かいます。

最後までご覧いただきありがとうございました。常楽寺は、建長寺開山・蘭渓道隆が来日後、最初に入ったお寺として臨済宗建長寺派の中では、とても重要な地位を占めているお寺で、貴重な仏像や頂相も多く残されています。鎌倉の観光の中心エリアからは少し離れているおかげで落ち着いて参拝できるのもうれしいところです。

ギャラリー

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