覚園寺~黒地蔵尊縁日(2018年)~

覚園寺~黒地蔵尊縁日(2018年)~

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8月10日は覚園寺の黒地蔵尊縁日でした。この日は、黒地蔵様のお導きにより、参拝者の思い・願いを、亡くなられたあなたの大切な方に届けていただける日です。3年間続けて施餓鬼をすれば亡くなられた方は必ず成仏し、参拝者にも無限の功徳があると云います。

なお覚園寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒覚園寺へ

9日の23:30を過ぎてから並び始めたのですが、普段の落ち着いた覚園寺さんとは比較にならない大勢の参拝者がいらっしゃいました。普段の有料エリア(入山料500円)にもこの日は無料で入れていただけました。

案内所で配布されていた参拝ルートは、以下のようになっておりましたので、この流れに沿ってご紹介します。

まずは、愛染堂で愛染明王様にお参りです。愛染明王様は「恋愛・縁結び・家庭円満」など、今を生きる人々による俗世の願い・欲望を受け止めていただける仏として、信仰されてきました。日中に撮影した映像が手元にありましたので、ご覧ください。

続いて、案内所横にできている行列に並んでしまいそうになるのですが、これは地蔵堂に向かう参拝客の行列です。お手元に蝋燭と線香をご用意頂いている方は、すぐに並んで頂いてよいのですが、必要な方は先に「千体堂」正面の特別施餓鬼受付所で購入してからの方がよいと思います。なお、ここから先が撮影禁止になっております。

五色幔幕が張られた地蔵堂には、この日の主役「黒地蔵尊立像(重要文化財)」が安置されております。黒地蔵様にしっかりとお参りしましょう。「神奈川縣文化財圖鑑」よりお借りした「黒地蔵尊立像」の写真をご紹介します。文化財としての位置付で撮影されたものなので、立像単体での写真となっていますが、地蔵堂内では金色に輝く光背をお持ちです。

黒地蔵様に、お参りした後は「千体堂」正面の特別施餓鬼受付で、ご朱印を頂いたり、施餓鬼供養(3000円)の申し込みを行います。
この日に頂ける鎌倉二十四地蔵尊三番札所の黒地蔵様のご朱印は特別バージョンとなります。左が黒地蔵尊縁日のご朱印、右側が通常の日に頂けるご朱印です。

黒地蔵尊縁日のご朱印 通常の日のご朱印

真言宗僧侶による読経が続く中、「千体堂」の中に進ませていただくと高さ10cm程度の小さい仏様がずらりと並んでいらっしゃいました、普段は立ち入ることができない場所です。

さらに地蔵堂に向かって左手には大日如来と六地蔵尊、それから子育地蔵尊がいらっしゃいましたので、お参りしました。

次に向かうのが、十三体の石仏が安置されている十三仏やぐらです。「鎌倉十三仏巡礼」でお参りする各寺の仏様と同じ仏様の石像が一堂に会しておられます。この十三仏にちなんだ「十三仏曼荼羅」を、帰りに「受付所」にてお譲りいただきました(2000円)。

表紙 裏表紙
梵字十三仏曼荼羅 十三仏曼荼羅

十三仏やぐらを過ぎると恩恵薬師様の小さな祠があり、さらに進むと本堂「薬師堂」に至ります。薬師堂には「薬師三尊像(重要文化財)」及び「十二神将像(県文化財)」が安置されています。

月光菩薩 薬師如来 日光菩薩

「薬師三尊像(神奈川縣文化財圖鑑より)」

お参りした後、薬師堂に向かって左側に臨時に設けられた販売コーナーで「薬師如来のご朱印(書置き)」の他「薬師三尊像の御影」をお譲りいただけます。

薬師如来のご朱印 薬師三尊像の御影

一通りお参りを終えて撮影可能な山門付近に戻ってから、何枚か写真をとってみました。
愛染堂前の水瓶の水面に漂う蓮花型の「浮き燭台」

真夜中の白い蓮花。明日は綺麗に咲いてくれるかな?

苔生した庭に茅葺屋根の御堂が涼しげな覚園寺さんでも、夏場の日中に訪れるとそれなりに汗が滴りますが、さすがにこの夜中になると気温も落ち着いて参ります。
黒地蔵様のお導きにより、足元の灯篭にほんのりと照らされた空間を、たくさんの参拝者の亡き人への想いが湧き上がり溶け合って、あの世へと連なっていく様が見て取れるようです。

イカ墨のフランスパンを使用し、黒地蔵尊像を象ったパンアート

このパン屋さんが売っていた一個500円の黒地蔵型イカ墨パン(一生懸命にパンアートを作ってくれていたので努力賞として一つ買わせていただきました)。このあと四万六千日ツアーが続きますので、駐車場の車の中で早速いただきました。