鎌倉・浄智寺◆境内散歩◆

鎌倉・浄智寺◆境内散歩◆

浄智寺は鎌倉五山の第四とされ、初夏の緑が清々しい名刹です。関東大震災の被害により多くの伽藍が失われましたが、寿福寺と同じように境内全体が国の史跡として指定されています。本堂「曇華殿」、書院、庭園を中心にして、周囲をぐるりと回れば、境内を一通り拝観でき、初めて参拝される方にもわかりやすい造りになっています。また、鎌倉三十三観音霊場、鎌倉二十四地蔵尊霊場、鎌倉江の島七福神等、いろいろな霊場の札所を兼ねているため繰り返し参拝する機会が多く、その折々に四季の移ろいを感じさせてくれるお寺です。

なお浄智寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒浄智寺へ

※写真をクリックすると拡大します。

浄智寺の魅力

◎湘南エリアでは珍しい鐘楼と山門が一体化した鐘楼門

◎本堂「曇華殿」に鎮座するご本尊「木造三世仏坐像」の存在感

◎梅・桜・新緑・紅葉と四季の移ろいを刻む谷戸の風景

◎観音さま、お地蔵さまに布袋さまと多くの霊場・札所を兼ねた懐の深い信仰の在り様

境内図

総門まで

北鎌倉駅西口を降りて、鎌倉駅方面に7分程度歩くと、江ノ電バス「明月院」バス停があり、その脇に「浄智寺」と記した寺銘碑が立っています。

ここが参道の入り口となっており、少し進むと総門(山門・三門とも表記される)があります。

総門の手前には石橋がかかっており、その左手に鎌倉十井の一つ「甘露の井」があります。

総門の先は石畳と石段になっており、その先に鐘楼門(山門とも表記される)が見えます。

鐘楼門

総門から鐘楼門に行く途中の石畳は、一部自動車が横切ることができ、石段の手前右側には駐車場があります。鐘楼門の少し手前に受付がありますので拝観料を納めて入山します。春には鐘楼門の横の桜がとてもマッチします。

鐘楼門手前で右を見ると「棟門」が見えます。門の向こう側が書院前の庭になります。

本堂「曇華殿」付近

鐘楼門をくぐって先に進むと右手が本堂「曇華殿(どんげでん)」になっています。本堂の前には鎌倉市天然記念物の白槇三本がどっしりと根を下ろしています。

ご本尊は三世仏(阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒如来)です。「弥勒如来」
との表現が見られますが、現代においては未だ菩薩位ですので「弥勒菩薩」とすべきとの考え方もあります。しかし仏教を含むインド古来の世界観に則り、この世は現在過去未来渾然一体となった存在であると捉えれば、如来となることが予め約束された弥勒菩薩を「如来」と表現することに何の不都合もありません。事実、浄智寺の弥勒像は仏像様式としては如来形です。

なお、本堂の裏手には、鎌倉三十三観音霊場の札所本尊「木造観世音菩薩像」が安置されています。
本堂を右に見てさらに進んだ正面には、「平和塔」と記されている球形の石塔があります。

書院裏庭園

平和塔の前を右に進みますと、苔生した観音像が見えます。赤ちゃんを抱いていることから慈母観音像と思われます。

視界の右側に、書院裏の庭園が広がります。

庭園で目立つのが五重の銅塔です。結構精密にできています。

あと、三重の石塔もあります。こちらは書院の和室ごしの眺めがなかなか風流です。

竹林を右に見てさらに進みます。

布袋尊付近

しばらく行くと隧道が左手に現れます。

隧道をくぐると石塔群があり、鎌倉江の島七福神の布袋さまもいらっしゃいます。

書院付近

隧道脇の小道を通ってもとの道に戻りますと、書院前の庭に出ます。
右手の書院には、篆書で「常安」と書かれた額が掲げられています。

中を覗くと、和室越しに庭園の三重塔が見えます。

書院の向かって右側にご朱印所があります。

ご朱印所の向かい側が、お茶席の「龍珍荘」です。

最後までご覧いただきありがとうございました。
樹々の緑に境内全体が包み込まれたお寺で、初夏早朝の森林浴にもってこいのお寺です。拝観は9:00からですが、境内脇の車道を谷戸の奥まで早朝に散歩なさってはいかがでしょう。

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