鎌倉・杉本寺◆境内散歩◆

鎌倉・杉本寺◆境内散歩◆

本堂(観音堂)を含む杉本寺の建物の多くは、金沢街道に面した参道入口から計30mくらいの石段を上ったところにあります。緑に囲まれ静寂に満たされたこの小振りな空間には、奈良天平の昔からの長く重厚な歴史が凝縮された独特の趣があります。歴史学としての辻褄あわせはひとまず横に置いて、現代に語り継がれる杉本寺にまつわる伝説を噛みしめ味わうスタンスで参拝していただければ、よりご満足いただけるのではないかと思います。

なお杉本寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒杉本寺へ

※写真をクリックすると拡大します。

杉本寺の魅力

◎天平に遡る鎌倉最古の寺院に相応しい数多の伝説に彩られたご由緒

◎古刹然とした苔生す石段の深い緑と茅葺の本堂(観音堂)

◎ご本尊三体(内二体は重要文化財)を含む計五体の十一面観世音菩薩像

◎坂東及び鎌倉三十三観音霊場の一番札所(「発願」の寺)

境内図

境内散歩

鶴岡八幡宮から東に向かう金沢街道沿い二階堂に在る杉本寺は、「坂東三十三観音霊場」の一番札所として知られておりますが、地元「鎌倉三十三観音霊場」の一番札所でもあります。私も坂東及び鎌倉三十三か所巡りの「発願(ほつがん)」に際しては、一番にお詣りしました。

京急バス「杉本観音」停を降りるとすぐそばに、参道の入口があります。

石段を少し進むと左手に受付がありますので拝観料(大人200円)を納めて入山します。

上を見上げると赤い仁王門が見えます。

仁王門両脇からは阿形吽形一対の真っ赤な仁王像がこちらを睨みます。

樹々の静寂を破る不如帰の声も心地よい早春の朝などに、仁王門を背に薄緑に苔生した石段を見上げますと、両脇に立ち並ぶ真白い奉納旗の先、澄みきった空を背に浮かぶ観音堂の茅葺の屋根が神秘的です。

すぐ右手には、大蔵弁財天が祀られておりますので、お参りします。

大蔵弁財天左脇の弁天池です。

今は、苔の石段を上ることはできませんので、最近きちんと整備された左手の女坂を上っていきます。

女坂を上りきると、左手に石塔、正面にはご本堂(観音堂)が現れます。

閼伽水で手を洗い、ご本堂にお参りします。

ご本堂に安置されたご本尊の十一面観世音菩薩像は三体あり、中央が伝・慈覚大師(円仁)作、右側が伝・恵心僧都(源信)作で各々重要文化財に指定されています。また左側は行基菩薩作と伝えられており覆面観音と呼ばれています(参拝した時点では覆面を被っておられませんでした)。

杉本寺ご本尊「御影」

十一面観世音菩薩像(左:伝・円仁作、右:伝・源信作)「神奈川縣文化財圖鑑」より

さらに源頼朝公より寄進された伝・運慶作のご本尊前立及び小川慈海師作の新十一面観音を加えると、ご本堂内には計五体の十一面観世音菩薩像が祀られています。

ご本堂に向かって右後方に、鐘楼があります。

またご本堂に向かってすぐ右には五輪塔群があります。この場所は杉本城の一部であった時期もあり、南北朝の争乱期に南朝方の北畠顕家に攻め寄せられ自害した足利家重臣・斯波家長など、多くの武士の御魂を鎮めるためのものだそうです。

五輪塔群に向かって左手には七地蔵堂があり、六地蔵に並んで向かって右端に「身代地蔵」がいらっしゃいます。杉本寺に「身代地蔵」の他、ご本堂内に「尼将軍地蔵」が安置されており、夫々鎌倉二十四地蔵尊の第四番及び第六番として信仰を集めておられます。

七地蔵堂のさらに左手には、石の祠がありお稲荷様が祀られています。

ご本堂に向かって右奥の裏手には、権現堂があり、熊野権現と白山権現が祀られています。

6月に参拝した時には、きれいな「がくあじさい」が咲いていました。

なお平成30年6月現在、杉本寺では、本堂茅葺屋根の改修費用の浄財を募っていらっしゃいますので、お志のある方はどうぞよろしくお願いいたします。

最後までご覧いただきありがとうございました。
杉本寺は、朝早く、その日一番にお参りするのが気持ちよい緑豊かなお寺です。坂東三十三か所の発願の寺として参拝者の尊崇を集めるだけの「気」を感じます。

こちらのページもご参考にどうぞ。
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