2024年

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白華山・補陀落山寺(ふだらくさんじ)◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第五回)~熊野三所大神社・補陀落渡海船

  • 2024.11.10

那智勝浦町にある白華山(びゃっかさん)・補陀落山寺(ふだらくさんじ)は、仁徳天皇の世にはるかインドから那智浜に漂着なさった裸形上人により開山されたと伝わる古刹です。 江戸期までは那智七本願の一つ「補陀落寺」として知られ、文化五年(1808年)に台風で倒壊するまで大伽藍を構えていました。もともとは真言宗でしたが、明治期に青岸渡寺の別院となって以降は、天台宗の寺院として存続しています。 実は私の地元の […]

筑波山・大御堂◆坂東三十三観音霊場(第二十五番)参拝◆

  • 2024.10.30

 筑波山・大御堂は、茨城県つくば市にある真言宗豊山派のお寺で、坂東三十三観音霊場の第二十五番札所をお務めです。大御堂の前身に該る旧・筑波山知足院中禅寺は、開山・徳一上人以来、男体山・女体山の両筑波山をご神体とした筑波山大権現の本地仏である千手観音をお祀りする大寺院として栄えて来ました。江戸期になりますと、徳川将軍家の祈祷を担うようになり、将軍家光公の時代には七堂伽藍が整備された他、江戸にも「知足院 […]

鶴岡八幡宮・九月の祭礼と行事~虫の音涼し長月~

  • 2024.10.14

 鶴岡八幡宮の9月は、例大祭一色に染まります。初日14日は早暁の浜降式に始まり日没後の宵宮祭へと続き、中日の15日は午前に例大祭が斎行され、午後の神幸祭には、三基の御神輿が二の鳥居前の御旅所まで若宮大路を練り歩きます。最終日の16日午後には、勇壮な流鏑馬神事が執り行われ、夕刻の鈴虫放生祭で一連の神事を終えます。 これらの神事が執り行われている間に、鎌倉囃子が賑やかな境内では、地元の盛んな文化活動に […]

那智山・青岸渡寺◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第四回)/西国三十三所(第一番)参拝

  • 2024.10.05

 那智山・青岸渡寺(せいがんとじ)は、那智勝浦町にある天台宗の寺院で、西国三十三所第一番札所として知られています。開基は、はるかインドから熊野浦に流れ着いた裸形上人(らぎょうしょうにん)とされ、仁徳天皇の御世にまで遡ります。さらに200年後の推古天皇の御世には、生仏上人により如意輪観音が安置され堂宇が整えられました。那智山には、「那智七先徳」をはじめとする多くの高僧が参籠し、11世紀から12世紀に […]

妙法山・星谷寺(星の谷観音)◆坂東三十三観音霊場(第八番)参拝◆

  • 2024.09.15

 妙法山・持宝院・星谷寺は、神奈川県座間市にある真言宗大覚寺派のお寺です。江戸期には海老名の総持院の末寺で、すぐ近くの県営・座間谷戸山公園の中で現在は「伝説の丘」と名付けられている「本堂山」にあった「観音堂」を起源とします。また星谷寺の境内にまつわる「星谷寺の七不思議」は、坂東三十三観音霊場巡礼者の間でよく知られています。 なお星谷寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては […]

鶴岡八幡宮・浜降式(はまおりしき)~例大祭(2023年)~

  • 2024.09.12

鶴岡八幡宮の「例大祭」は、毎年9月14日から16日の三日間にわたり執り行われる鎌倉伝統の行事で、古くは文治3年(1187)の放生会に遡ると云われています。14日早暁の浜降式(はまおりしき)は、例大祭の始まりを告げる重要な儀式で、鶴岡八幡宮境内を出発したご神職の列は材木座海岸に向い、波打ち際に立てた大きな斎竹(いみたけ)をくぐり海に入り身を清めます。禊(みそぎ)を終えると、藻塩草(もしおぐさ)を集め […]

熊野那智大社◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第三回)~飛瀧神社(ひろうじんじゃ)・御縣彦社(みあがたひこしゃ)・大門坂

  • 2024.08.30

熊野本宮大社・熊野速玉大社とともに熊野三山を構成する現在の熊野那智大社は、仁徳天皇の五年( 317年)に、現在の別宮・飛瀧神社(ひろうじんじゃ)の地より、那智山中腹に遷り成立しました。 さらに遡ること千年、「神日本磐余彦命(かむやまといわれひこのみこと)=神武天皇」の東征(紀元前662年)の折、「丹敷浦(にしきうら)=那智の浜」より、神光を放つ「光ケ峯」を目指し那智川を遡上する中、目の前に現れた雄 […]

荏柄天神社◆境内散歩~日本三大天神・絵筆塚祭・針供養~

  • 2024.08.09

 学問の神様・菅原道真公をご祭神とする荏柄天神社は、鎌倉市の北東部・二階堂にあります。関東を中心に多くの分社を持つ古社であることから、京都・北野天満宮及び福岡・太宰府天満宮と共に日本三大天神に数えられ、教育熱心な日本国民の信仰を集め社殿の東西は合格祈願の絵馬で埋め尽くされています。 神社の開創は頼朝の鎌倉開府に先立つこと八十余年前に遡り、長治元年(1104年)八月のある日、晴天俄かに掻き曇り、雷雨 […]

熊野速玉大社◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第二回)~神倉神社・阿須賀神社・熊野御幸

  • 2024.07.26

 和歌山県新宮市の名は、もちろん熊野速玉大社の別名「新宮」に由来します。熊野本宮・熊野速玉・熊野那智の各社は、まとめて「熊野三山」と呼ばれておりますが、それは神仏習合が進み、朝廷による熊野統治のための役職「熊野別当」が置かれて以降(おそらく10世紀以降)に成立した概念であり、実は夫々に異なる起源を持っています。別称の「新宮」も一見、熊野「本宮」に対しての「新宮」であるかのような印象を受けますが、実 […]

鶴岡八幡宮・十月の祭礼と行事~蒼天晴れ渡る神無月~

  • 2024.07.13

 今回は、蒼天晴れ渡る神無月の鶴岡八幡宮の祭礼・行事を、境内を彩る花鳥と共にご紹介します。秋晴れの続く青い空の下、大臣山の木々も次第に色付き始め、参道より見上げる本宮の朱色が映えます。暑からず寒からずで天候も安定しておりますので、七五三にお参りのご家族もちらほらと見かけるようになり、祭礼や行事にも最適の季節を迎えます。崇敬者大祭では、流鏑馬が披露され、八幡宮を東西に走る馬場を勇壮に駆け抜けます。ま […]