鎌倉・向福寺◆境内散歩◆
- 2018.12.22
- 境内散歩
鎌倉三十三観音霊場第十五番札所・円龍山向福寺は、鎌倉・材木座の京急バス「五所神社」停すぐ横にある時宗のお寺で、開山は一向宗の祖・一向俊聖(いっこう しゅんしょう)です。一向宗は、踊念仏系では時宗に次ぐ規模でしたが、江戸時代に幕府の寺社政策上の理由で、踊念仏系の宗派が時宗に統合されたため、現在は藤沢の遊行寺(清浄光寺)の末寺となっています。長年、時宗からの独立を模索していた旧・一向宗中心寺院の番場蓮華寺(近江国)や天童佛向寺(出羽国)は、明治になり浄土宗に改めましたが、時宗・総本山遊行寺の影響が強い鎌倉に位置する向福寺は、そのまま時宗に留まったようです。一向俊聖は光明寺開山・然阿良忠に師事していたことから、一向宗系の寺院は、従来から浄土宗に近しい繋がりを持っていたようです。
なお向福寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒向福寺へ
※写真をクリックすると拡大します。
向福寺の魅力
◎仏教界では少数派の時宗の更に非主流派である一向宗を出自としながらも時代の流れと折り合いを付けつつ七百年以上守り続けてきた法灯の重み
◎南北朝の作と伝わる鎌倉市指定文化財の御本尊「阿弥陀如来及び両脇侍菩薩立像」
◎季節毎に表情を変えながら参拝者の目を楽しませてくれるご本堂前の立派な桜とプランタの花々
境内の様子
バス停のある小町大路から少し奥に入ったところに門柱があり、枝越しにご本堂が見えます。
最近お参りした際は、珍しくご本堂の扉が開いておりました。現在のご本堂は、関東大震災後に再建されたものです。また昭和初期には、このご本堂の南側の部屋で、丹下左膳で知られる鎌倉文士・林不忘(はやしふぼう)が夫人と新婚生活を送ったそうです。丹下左膳は、子供の頃、祖父と白黒テレビでよく見てました。「姓は丹下、名は左膳!」懐かしいですね。
ご本堂には「御詠歌額」が掲げられています。
「ふかき夜の ゆめにすくせし わが身にや さいはひにむく 志るへなるらん」
御本尊は、鎌倉市指定文化財の木造阿弥陀如来立像です。脇侍は、向かって左が勢至菩薩、右が観音菩薩です。
「鎌倉の文化財」より
プランタなどに植えられた季節の花々がいつも参拝者を迎えてくれます。
「サンパラソル」
「マーガレット」
「あじさい」
「山茶花」
「マリーゴールド」
こちらのページもご参考にどうぞ
⇒向福寺へ
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