鎌倉・浄妙寺◆境内散歩◆
- 2018.08.31
- 境内散歩
浄妙寺は、鎌倉五山の第五位として有名なお寺です。また足利一族と深い関係を結んでいたことでも知られています。現在の伽藍は建長寺や円覚寺ほどのスケールはありませんが、樹木の手入れが行き届き、清潔感のあるきれいな境内が魅力的です。平成3年に茶堂「喜泉庵」を再建し、さらに平成12年には大休寺跡に建てられた旧貴族院議員邸を改造して石窯ガーデンテラスをオープンするなど、広い境内を利用して多くの参拝客が訪れやすい環境を整えています。
なお浄妙寺のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。
⇒浄妙寺へ
※写真をクリックすると拡大します。
浄妙寺の魅力
◎隅々まで手入れの行き届いた清潔感溢れる境内
◎イングリッシュガーデンを愛でながら石窯ガーデンテラスで過ごす優雅な午後
◎来客の少ない平日の朝、抹茶を味わいながら心静かに眺める喜泉庵の枯山水庭園
◎「鎌倉」の地名の由来となる鎌足稲荷神社のご由緒
境内図
山門付近
京急バスの「浄明寺」停を降り、浄妙寺の駐車場横手の参道を入ると、正面に寺銘碑と山門が見えます。お寺の名前は「浄妙寺」ですが、このあたりの地名は「浄明寺」で「みょう」に「明」の字を用います。明治の廃仏毀釈の影響で、お寺と同じ名前を避けたものと云われています。
山門を入るとすぐ左手に受付がありますので、拝観料100円を納めて入山します。
本堂付近
真正面に真青な空をバックにご本堂の大きな銅葺屋根が目に入ってきます。
少し進んだ左手に、花塚があります。
手前は石庭の拵えとなっており、シーズンには傍らの紅白梅が映えます。
本堂に向かって右側は庫裡となっており、夏場は百日紅がとても鮮やかです。
本堂を向かって左に回り込むと、本堂に接した奥手に開山堂があります。
さらに奥に進むと墓地となっており、中興開基・足利貞氏公(足利尊氏公の父君)の御墓・宝篋印塔もこの中にあります。
墓地から少し戻って左奥「石窯ガーデンテラス」の方向に上っていくと、竹林があり、それを抜けると足利直義公(足利尊氏公の弟君)の御墓が入ったやぐらがあります。
道の途中にはオレンジや黄色のカンナが植えられていました。
途中、バッタがおりましたので一枚。どこにいるかわかりますか?
竹林の小路です。
足利直義公のやぐら
喜泉庵
本堂に向かって左側の木々に囲まれた一隅に、江戸時代の茶堂を再建した「喜泉庵」があります。
建物の外観や枯山水庭園の様子は外部からなんとなく伺うことができますが、入ってみますとこんな感じで受付があります。
係の方が中に案内してくれますので、上がってみます。
枯山水は、明るい日差しの下、白砂が眩しく映ります。
私が案内された席のすぐ横には、味のある彫りの入った手水鉢が据えられています。
冷やし抹茶をお願いしますと干菓子付きで出てきました。冷やし抹茶は、普通のお抹茶と同じようにサッといただくと、氷が溶ける前の濃い味を楽しめますが、氷が溶けて少し薄くなってからも飲み物感覚でいただけます。茶席の作法を厳密に求められる訳でもありませんので、この日はゆっくり枯山水を見遣りながら、備え付けの団扇の風で涼んでいきました。
茶室横の廊下は、こんな感じ。
庭の水琴窟からは長い竹筒が伸び、耳を当てると、高い音色が涼しげに・・・。
石窯ガーデンテラス
最近リニューアルした綺麗な看板が何か所かありますので、迷わず行けます。
足利直義公のやぐらに向かう道を右に見て正面を向けば、石窯ガーデンテラスのオープンテラスが見えます。
中央の円形花壇には、ルドベキアがいっぱい咲いてました。ベニシジミもご一緒に・・・。
旧貴族院議員邸を改造した石窯ガーデンテラスの建物です。
カバードポーチはこんな造りです。両開きドア上部・明かり窓のステンドグラスがいい感じ。
店内に入ると、イングリッシュガーデン側が全面ガラスに。抜群の採光。
店奥の席からイングリッシュガーデン側の席を見ると・・・。
傍らには、おそらく使ったことのないストーブ(笑)。
私はスコーンをジャム&バターでシンプルに。全然粉っぽくなくて、しっとりしてましたので、こぼさず上手に頂けました(子供か・・・)。
連れはマンゴームースのセット。こっちの方がよかったかな???
本当は、看板メニューの「アフタヌーンティーセット」を頂きたかったのですが、この日は売り切れ。残念でした。で、未練がましくパンフレットの写真をコピーしてみました。今度また挑戦します。
イングリッシュガーデンに出ますと、すぐにガーデンアーチがあります。
沢山のハーブ系の小花が咲いてました。
イングリッシュガーデンから見たテラス席。
鎌足稲荷神社
大化の改新で有名な藤原鎌足が赤ん坊の頃よりお守りとしていた「鎌槍」を、神示によりこの地に奉納し祠を建てたのが「鎌足稲荷神社」の創建(大化2年・646年)とされています。またこの故事にある「鎌槍」から「鎌倉」の地名が生まれたともされる非常に由緒あるお社です。浄妙寺の山号・稲荷山(とうかさん)も、この鎌足稲荷神社から来ていると思われます。
山門に向かって右側の道を境内に沿って道なりに進むと看板が出て来ます。
カーブした石段を上ると直線の石段が現れます。
さらに上ると白木の鳥居があり、奥に祠が見えます。
祠は、そう古くはないようです。
本寂堂
山門から鎌足稲荷神社に至る途中右手に、苔生した石段があります。危険防止のためか塞がれていましたので、上がりませんでした。ここには浄明寺の鎮護の神として三宝荒神が祀られています。「本寂」には「本迹」の意味を重ねていたのかも知れません。もっとも三宝荒神はMade In Japan。
熊野神社
山門に向かって左に進むと石窯ガーデンテラスに直行する車道の門(普段は閉まっています)に行き当たります。その左手の石段を上ると熊野神社です。こちらは浄妙寺の鎮守であり、浄明寺地区の鎮守でもあります。祭神は「素戔嗚尊」で、9月17日が例祭となっています(もうすぐですね)。
白木の鳥居の向こうが境内です。
拝殿は、隣の庫裡と一体化しており、本殿が後ろに控えます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
浄明寺地区では、報国寺と共に足利氏ゆかりの寺として知られる古刹です。両者の寺史を軸に鎌倉時代・室町時代の歴史を再チェックするのも面白そうですね。
こちらのページもご参考にどうぞ
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