鶴岡八幡宮~ぼんぼり祭り2018~三十選「人・動物」編
- 2018.08.12
- お祭り
第2回目の今回は人や動物を描いた作品です。「ぼんぼり」とは思えぬ様々な表現がとても新鮮でした。
献納「ぼんぼり」三十選~「人・動物」編
「ぼんぼり」一灯から広がる「ハートカクテル」’80s世界の記憶。何の根拠が有る訳ではないけれど、各自それなりでしかないけれど、全ての若者が夫々の未来の豊かさを信じて時代を生きることができた青天井の世界。21世紀とは絶対に違ったあの時代の空気を取り戻してくれる「わたせせいぞう」さんのおしゃれな一品です。
薄明かりに浮かぶレトロな影絵の女は、胸をはだけたドレスを纏い何故か俯き加減。花は薔薇かと思いきや、どうやら「牡丹」か「芍薬」のよう。長い髪をヴェールで包んだ美女には憂い顔がお似合いです。切り絵の技は「ぼんぼり」と相性ぴったり。
薄手の着物を纏った女性は、艶やかな髪飾りと赤い口紅。胸の前で手を重ねながら向けた視線の先には何が見えるのでしょうか。くっきり黒い素描に重なる水彩の淡い色付けが涼しげな味わいを出しています。
美術展などで鑑賞できるような云われある大和絵の名品は、重厚ながらも当初の色彩は失われ、想像の赴くままに任せるより他はありません。しかし気品のある緻密な大和絵も、このように青緑系の色遣いでさっぱりと描き上げると、夏の夕涼みにお似合いの上品な「ぼんぼり」に仕上がってしまいます。数ある献納作品の中でも目立つ一品でした。
ハートのクイーンに難癖をつけられたのでしょうか?少し困り顔のアリスです。チェシャ猫はニタリと笑い、白ウサギは知らんぷり。ハートのキングも心配顔ですが、きっと大丈夫ですヨ。軽やかなパステル系の配色が素敵です。何故かハートのクイーンがスペードのクイーンのような服装に描かれています。ナンデダロウ??
ほんとに天真爛漫な伸び伸びとしたイラストです。以前、テレビでも拝見したことがありますが、人を楽しく明るくさせる表情やしぐさが何の衒いもなく表現されており、大好きな作品です。学者らしい観察眼でしっかりと生き物の特徴を捉えているのでしょうか、デフォルメしても本物感が失われていません。
盛夏、玄関前の路地に水を打つとスズメ達が喉を潤しに集まってくることがあります。蝶々だって蜜ばかりを吸っている訳ではなく同じように溜り水を求めて降りてきます。竹の枝のスズメが降りようか降りまいか迷っているようです。降りてくればいいのに・・・ネ。俳画としての立ち位置を弁えて、お行儀よく纏まった小品です。
庭のブロック塀脇で虫と遊んでいたネコですが、何かに気づいて振り返ったところです。草の緑に埋もれたネコという構図はあまり見かけませんので印象に残ったのですが、体毛の質感まで丁寧に描かれており、「ぼんぼり」にはもったいないほどの仕上がりでした。明るい日差しの中でより映える作品です。
以下、第3回「風景・静物」編に続きます。
献納「ぼんぼり」三十選ギャラリー
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