2025年

天河大弁財天社◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第八回)~壺中天・黒木御所・四石三水八ツの杜~

  • 2025.04.04

古くから音楽・芸能の神様として信仰を集める天河大弁財天社は、「熊野川」の上流「十津川」のさらにその源流「天の川」が流れる天川村に鎮座します。天川村は、行政区画上は奈良県ですが、分水嶺が村の北側にあるため、その水系は南紀・熊野三山と同じ新宮川(熊野川の河口付近の名称)水系に属します。 琵琶山と呼ばれる岩山の上に建てられ、その下に神代からの磐座(いわくら)が鎮まる天河大弁財天社の本殿には、主祭神の「市 […]

圓福寺(飯沼観音)◆坂東三十三観音霊場(第二十七番)参拝◆

  • 2025.03.23

 坂東三十三観音霊場第二十七番札所を務める飯沼山金照院圓福寺は、千葉県銚子市にある真言宗系の単立寺院です。銚子市は、いまでこそ醤油と漁業で有名ですが、もともとはこの圓福寺の門前町として発展してきました。 寺伝によれば神亀元年(724年)に、漁師が、ご託宣によりご本尊の十一面観世音菩薩を銚子沖で引き揚げたのが圓福寺の始まりとされています。その直後の天平年間には行基が来錫し、この十一面観音を厨子に納め […]

鶴岡八幡宮・十二月の祭礼と行事~紅葉色付く師走~

  • 2025.03.03

 温暖な鎌倉では、銀杏も紅葉も12月初が見ごろとなります。鶴岡八幡宮の境内の樹々も黄色・紅色に染まる中、地久祭、御鎮座記念祭が斎行され、また大みそかには、大祓の後、歳の終わりを締めくくり新年に備える除夜祭が執り行われます。 なお鶴岡八幡宮のご由緒、ご朱印、年中行事、季節の花々、アクセス等につきましては、以下のリンクをご覧ください。⇒鶴岡八幡宮へ 鶴岡八幡宮・月々の祭礼と行事 月 記事リンク 1月 […]

玉置神社◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第七回)~呼ばれた人しかたどり着けない神社~

  • 2025.02.21

大峰奥駆道を往来する修験者たちより「結願天(けちがんてん)」 と崇拝される玉置山を神奈備(かむなび)とする玉置神社は、熊野の森の奥深く杉の巨木に囲まれ鎮座する熊野三山の奥宮で、まさに「呼ばれた人しか行けない神社」「呼ばれた人しかたどり着けない神社」と云うにふさわしい秘境のお社です。 「玉置山縁起」によれば、その歴史は「王城火防」と「悪魔退散」のため社殿を設けた崇神天皇の61年(紀元前37年)に遡り […]

清瀧寺(清瀧観音)◆坂東三十三観音霊場(第二十六番)参拝◆

  • 2025.01.31

 南明山・慈眼院・清滝寺(きよたきじ)は、古くは「山の荘」と呼ばれていた荘園の一角、土浦市小野にある真言宗豊山派のお寺です。その歴史は、坂東三十三観音霊場の中でも最古の部類に入り、推古天皇の十五年(607年)に聖徳太子が彫った聖観音像を、清瀧寺背後の龍ケ峯に安置した時代にまで遡ります。また別の伝説では筑波山の二柱(伊弉諾尊・伊弉冊尊)が小野山を天の鉾で突いたところ南北二カ所に「清」水が涌き出、その […]

佐助稲荷神社(さすけいなり)◆境内散歩◆~御塚・霊狐泉

  • 2025.01.20

 佐助稲荷神社は、鎌倉駅の北西の山手にあるお稲荷様で、創建は鎌倉初期の建久年間(1190年~1199年)とされています。社伝によりますと、源頼朝の挙兵にあたり頼朝の夢枕に隠ノ里の稲荷の主が現れ、挙兵を勧めたそうです。見事鎌倉に幕府を開いた後、頼朝は畠山重忠に命じて「かくれ里の祠」を探し当て、社殿を設けたのが始まりというお話です。「佐助」の名は、官職名「兵衛佐」を名乗っていた頼朝を助けたことに由来す […]

花窟神社(はなのいわやじんじゃ)◆境内散歩◆熊野三山遠征記(第六回)~産田神社(うぶたじんじゃ)

  • 2025.01.03

 三重県熊野市有馬にある花窟(はなのいわや)神社は、伊弉冉尊(いざなみのみこと)と軻遇突智尊(かぐつちのみこと)をお祀りしており、その始まりは神代に遡ります。  日本書記には、火の神・軻遇突智尊を生むときに陰部を焼かれて死んだ伊弉冉尊は、紀伊国の熊野の有馬村に葬られ、人々はその魂(みたま)を「花の時に花を以って祭」ったとあります。さらに社伝によれば、中古三十六歌仙の一人として知られる増基法師(生没 […]